ときおり人生ジャーナル by あきしお ⁦‪@accurasal‬⁩

ときおり人生の思いを綴る雑記帳|andy-e49er | ID-Zerv 2b trusted @Accurasal

企業買収と契約法務 (大型プロジェクトリスク)

(追伸・9/7土曜) そういえば、別件二冊を返却してもあと二冊が手元に残り、ともに法学テキスト。前にお名前を知った青木節子教授#宇宙法 研究者にしてその分野の日本の第一人者と知り調べた。検索し出たのが、複数の先生たちが著した各種のいわゆる論文的な著述集だ。

『国際社会とソフトロー』(編集代表・中山信弘)

✳️「ソフトロー」という言葉自体が、新鮮・新奇で。パラ読みしながらまさに今の仕事に直結してることに気づく。人生なかなかこういう無意識的な出会いや気づきは少なくて希少価値。たとえば貿易の #Incoterms #CISG #商事仲裁

▽▼▽▼

21世紀COEプログラムに選択された「国家と市場の相互関係におけるソフトロービジネスローの戦略的研究教育拠点形成」が、2008年3月で終了。5年間、ソフトローという新たな分野を開拓してきた。その成果として5巻の出版物として世に問うことになったもの、という "はしがき" が冒頭にある(拠点リーダー中山信弘)。
(目次から抜粋して引用しておく)

第1部 国際法

第1章 現代国際法学と「ソフトロー」

第5章 宇宙法におけるソフトローの機能…市場と公益の調整原理(青木節子)
第2部 国際私法

第1章 国際司法とソフト・ロー

第2章 国際契約とソフトロー

第3章 国際支払いとソフトロー…信用状統一規則の意義と法的性質

第4章 国際海商法の統一性とソフトロー…統一法形成における統一規則の意義

第5章 ソフトローの観点から見た国際航空法

第6章 ソフトローの観点から見た国際商事仲裁

◉現在の担当職務に直結してそのままアドバイスに使えるには、少し難解でアカデミアに寄りすぎている。個人的な知識の拡充に使い、幅を持って相談に回答・助言を行う際、これが間接的に役立つはず。そう思い部分読みしている。

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👆まっすぐな道がある。右と左に選択肢が分かれる時、あなたならどちらを選びますか?そしてその理由はどう考えますか?

#ベイン #富士ソフト #KKR #企業買収
既に M&A契約締結済みの所に別の買い手がより高値でofferしてきた。以前からある経緯があった高値提案に、既に契約済みのKKRから乗り換え、新たな候補者ベインの方に富士ソフトという会社を売るには、

a. KKRとの独占契約を破棄する(?)ので、

b. 違約金が発生(?)するか、

なお、その締結済みの契約内容は秘密であるから、外部に知れることはない。

👉そのとき株主と取締役会の売り先判断は?、その成り行きに興味津々追加報道を待ちたい。

(参考 : 日本経済新聞2024/9/4 1面記事、『ベインも富士ソフト買収案、米ファンド KKR上回る6000億円)

さて、▽

(以下のことはM&Aの基本や実例を知らないで、単なる理屈の面から個人想定するのだが)

ケーススタディ】初期段階の個人的考察(*)

◉買収の対抗馬が現れた。元々買収は現金ではなく株をTOBする形式。なので、今回のようにより高い株価をオファーしてきた競合が現れれば、まずその期待値で公開株価は値上がりするだろう。

取締役会、特に外部取締役は、株主利益を考える…。企業価値はどちらの方が有利に動くのか。買収完了後の経営陣の方向性の違いも見極めなければ…、などなど、複数の重要な要素で慎重な検討が必要だ。かつ大胆な決定を下すことになるのはもはや疑いようもない状況だ。 果たして取締役会の判断は?!?

まず、独占契約の条項を正しく解釈して、影響度を計算する。2つの買収候補者を比較しながら、2通りにおける選択肢の、直近と今後中期での影響を経営数値もシミュレーションで出しながら精査するはず。→経営企画・買収検討チームのスタッフは死ぬほど大変に。

【情勢は動く】契約規定のうち、なんらかの条件(契約条項の効果) が、この高値買い手の出現とオファー金額、=企業の買収価値 (Valuation) に釣られる形で、株価上昇が起きる。その連鎖反応により、契約解除の可能性があるかないか。なんらかの理屈が適用できて、契約破棄可能となるか、結果破綻するか?

そして、そうなれば今の独占契約相手に株を売り渡す制約が大株主たちから(契約破棄などの違約金なしに)リリース(解除)され、自由度が広がるか。

・株主による訴訟もありうるので、買収に対する取締役会の検討と結果が大きく変わるような"可能性" と "リスク" とが双方増えた、とみてよいか。

(*)(編集後記)個人的"思い" (背景・動機) を綴っておく

  • ごく小規模のスタートアップに出資してベンチャー経営にタッチした
  • グループ会社の100%子会社化検討にタッチした
  • M&Aを実行、あるいは検討するスタッフ部門への所属経歴はない
  • 法務部で企業買収契約を扱ったことはない(株式購入契約は一度だけある)
全くのシロウトである。ただ現役時代には
  • プロジェクトリスク管理を推進する主体者。その制度を設計し、評価する管理側の立場で日々携わった
  • 経営監査、監査役対応に携わった
  • 一般社団法人で監事を務めた
企業体・組織体の内部統制に関心を持ち続けている。会計面や財務面のコンプライアンス意識から、取引契約への興味と関心を持ち続けるスタンスである。
✳️ この会社を『買う』という、資本主義社会でのもっとも大型で、最大リスクといえる難しく高度な判断を要するビジネス案件 (買収、広義の調達) に対する興味。
現役時代の関心事である取引法務、契約法務への関心。わずかばかりだが契約面の基本知識から頭の体操を。考えてみた。
こういったところを現役時代にもっと学んでみたかった思い。MBAコースでは応用面のケースとして検討したりするのでは?
✖️ただ現実の企業買収に真に担当となり直に関わるとデュー・デリジェンスは大変なこと。働く時間がマジ健康破壊に至ることは見聞から知っている。そこは敬遠する。買収アクションにおける構造と理論的なプレーヤーと立場毎の『考え方』など。理論面を机上でよいので学んでみたい。
監査役や監事の立場で見たらどうなるのか的な配慮もある。