『現代国際取引法』- その理論と新たな展開に向けて - …
著者: 藤川信夫(日本大学法学部特任教授、1976/3京都大学法学部卒。日本開発銀行、日本政策投資銀行など。2007年法学博士・早稲田大学)
2021/11/10 第一版第一刷・文眞堂
【目次】列挙、下記のとおり。
国際取引法、製造物責任法制、国際契約、国際物品売買契約、インコタームズ2020,
ウィーン売買条約、国際的資金決済、国際運送・保険契約、国際販売代理店契約、
国際技術移転契約、国際秘密保持契約、国際投資と投資仲裁、国際的M&A(企業買収)、国際倒産法、国際合弁、国際取引と紛争処理、国際仲裁、経済安全保障、
マネロン・テロ資金供与対策ガイドなどと国際コンプライアンス
上記目次の内訳には、国際ライセンス契約、コンピュータ・ソフトウェア・ライセンス契約、国際共同開発契約、なども記述がある。海外M&Aにおけるジョイベン契約とEXIT留意点、米国制裁法、OFAC・BIS規制、信用上取引におけるSanction(経済制裁)問題、など。
👉幅広で網羅的。まさに現代社会の国際取引におけるルールを概説した法律系専門書、契約法務解説書である。ごく簡単な国際契約(各種列挙)の概説とその種類などの記述もあって便利だと思うので紹介しました。
こういった書物をテキストにして、"国際取引" を概括する法務概論、契約法務基礎講座とかが大学法学部・法律学科に(私が在籍していた当時)あったらうれしかったのに、と思う。
問題意識として
とにかく社会に出て海外との様々な事業やコラボレーション、アライアンスを進めるとき、さほど詳述されて判例までを解説した堅苦しい専門的でなくて全く問題なく良い。
ビジネスパースンが、事業とその管理で気にしておくべき対象法令やその事例、背後に横たわるビジネスリスクを、概論で良いので習いたかったと思う。
ビジネスリスク、リーガルリスクと言う概念自体が、1980年台の前後に世の中にあったか?なかったか? 今となっては私には分からない。だが、この契約法務領域の入門的な講義や基本的な知識などを学校で講義してくれていたら、随分入社した後の会社で働くときに役立ったろうなぁと思う。
私の場合必要な内容は全て後付けで書籍などから得るか契約法務の外部セミナーなどから学んできたのだが。
『何かを知っているのと知らないのとでは、ものを見る目も違うし、考え方も変わっていく。』(女優・常盤貴子、おとなの肖像)
これは、女優だけでなく誰にでも当てはまる真理だと思う。