Andy Sierra 雑記帳 (andy-e49er)

内外について個人の思いを綴る雑記帳です|andy-e49er | Twitter@Accurasal

“ECI” 首位のニッポンの向かう先

f:id:andy-e49er:20220920172518j:image

最近、日本経済新聞紙面「オピニオン」欄 "Deep Insight" (日本経済新聞本社コメンテーターが書いている論説的コメント)をよく参照し、「勉強」している。9月20日火曜こういう記事が出ていて大変に興味深く読んだ。

題して、台湾「半導体の盾」に何を学ぶ。

(引用)「シリコンの盾」は、半導体で自らを守る台湾の戦略を指す。

半導体で世界に名だたる位置まで上り詰めた "TSMC" - この中核企業の"台湾積体電路製造"

各国のラブコールやペロシ米下院議長の訪台は、その厚みが増していることを示す

 ここで面白い経済指標を知った。

 米国マサチューセッツ工科大学(MIT)が作った 経済複雑性指標(ECI) である。これは日本が25年以上も首位を保つ珍しい指標だと言うことにもとても驚いている。今まで聞いたことがなかったからだ。

 問題はこの指標で見る台湾の、目を見張る躍進ぶりである。2000年の22位から10年は5位、20年は日本、スイスに次ぐ3位へ浮上したと言うスピード感である。

 記事で筆者(本社コメンテーター)の西村博之氏もそう書いているが、私がよく知る通り、台湾は米国ハイテクとの関係性において、ハイテク分野の人材育成、技術の獲得においてはとてもうまく立ち回って来た。

  • つまり米国の大学で学んだ技術者が多く、彼らはまずシリコンバレーなどの大手米国ハイテクメーカーへエンジニアとして入社し勤務する。そこで先端技術を学んだ後、台湾に戻り、自身で会社を創業するのだ。そういうハイテク経営者が多いと言うことは周知の事実である。
  • 例えば私が実際に取引していたストレージ関係の制御型半導体やサーバーに使われるボードメーカーである某社(P) @新竹 もまさに創業者が米国IBMのその技術領域で勤務したエンジニア出身の台湾人だった。

f:id:andy-e49er:20220920172541j:image

 さて、ECI は輸出品目が多様な国、地域ほど高得点となる。つまり他国では作れない複雑な製品を輸出していれば点数が上がり、経済が洗練されていると判定される指標 だと言うことだ。

(引用) 面白いのは ECI が一人当たり国内総生産(GDP)と比例することだ。つまり経済成長は知識の蓄積と表裏の関係にあり、それが輸出品目の多様さ、複雑さに反映される。

洗練された輸出品を増やしECIを急浮上させた台湾は、効果的に知識量を増大させたのだとも言える。ここに台湾の「半導体の盾」の秘訣がある。

(引用続く…) 社会や組織を開き、人の交流を促してこそ知識は増える。業種、国境、企業、官民の軛を放った台湾はこれに成功し、経済と輸出の競争力を高めたのだ。

他方、日本の輸出は電子、自動車、機械、科学の主要分野で軒並み世界シェアの低下が続く。これら産業の過去の蓄積で首位を保つECI も数値自体は足踏みする。

知識の総量の伸び悩みと「ガラパゴス化」の言葉が象徴する内向きの姿勢で、世界の需要をつかみ損ねた姿が浮かび上がる。

(中略) 必要なのは世界が求めるものを創造・輸出し、その富で自らを守る発想だ。内なる壁を崩し「貿易の盾」「経済の盾」、そして分厚い「知の盾」を築くことができるか。

以上でこの記事は結ばれている。

おっしゃる事はまさしく正論。

ガラパゴス化」イマドキ古すぎないか?

 

✖️この批判的な論説を読んでいて思った。

メディア・新聞人が持論を批評家的にズバリ吐く。それに反対はしないがこの論説はイマイチだ。理由 : 前向きな解決策を何ら示していない。知っている材料で比較、批判を連ねるだけは残念だし、期待外れだ。

ほぼ一年前の同じコラム記事のこれと対比してみたい👇

美しき庭 Walled Garden? - Andy Sierra 雑記帳 (andy-e49er)

さて、改善の手立てを少しだけ考えてみよう。

💮既に多くの有識者が危機感を表明している指摘の通り、だろう。

➡️ 米国の大学や大学院に日本人学生がもっと多く留学する。それだけでなく、米国ハイテク企業など米国に生活して実際に数年は勤めることだ。人脈も広がる。

➡️ イノベーションや新たな知恵を創造する向こうの無駄のない、スピード感あふれる働き方を体験、体得する。

  • (その上で日本に戻り自ら創業する)でも
  • 創業なんかしなくともいいではないか。大手日本メーカーや中堅中小にハンディなく途中入社して、出世を含め可能性が大きく開ける、真の実力主義

日本社会にその素地や寛容さ・人事処遇のシステムがあればどうだろうか。留学しても海外勤務の経験が活かされるかとが必須条件だ。全体的な総合的な「懐の深さ」が強く望まれる。

たとえば転職や就社。途中入社・経験者採用なんかごく普通。いつも身の回りに多くいて、当たり前にならなければいけない。そのような包摂的な企業社会が必要だ、と思う。

"イノベーティブなエコシステム" などと横文字を並べることは簡単…。本質的に、

  • 学ぶことと働くこと、会社を変わること、それらに日本経済としての連携や連動がある。不利益を被らない。
  • 働くことだけに縛られず、ある期間は働かずに学ぶことにも可能性・オプションが用意されている、そんな企業が増える。
  • 働き方にも生活場所にも、より自由度を提示できる企業が当たり前になる
  • 多様性ある(古臭い村社会ではなく) 自由で開かれ活性化した経済社会

それが欲しい。次なるニッポン社会。各年齢層を通じ、新しいことに挑戦していく若者たちを特に多く厚くし、どーんと作らなければいけない、育てなければいけない、と言うことではないだろうか。中高大学の詰め込み型、受験競争はいらない。ビジネス創造力が必要だ。

(かく言う私とて机上で主張するだけしかできないのであるが…。)

ちょいとブレーク