"Equalize" とは平準化すること。Equalizer とはものごとを平準化する人、という意味になる。傾いている悪を取り除いて平穏な社会へと解決する、くらいの意味合いになろうか。
ダークヒーローを描く映像。サスペンスやアクション作品だから、スピード感溢れるが、その『除去』する掃除人的な働きの場面は相当極端なキワモノ。女性などでは多分嫌うのではないか。場面描写の好みは分かれるだろう。
一方で対比されるのは、庶民たちの平和な日常の生活風景。特にイタリアの島にある小さな町の日々の風景が、カフェや、階段のある坂道、教会、魚を売る商店などで美しく描かれる。
非日常ではあるが、しかしどこかの国・別世界では今でも起きているであろうその悪と正義を見る。(日本でも昔は場所によりあったろう)
- "現代犯罪社会の陰" を、家族と暮らす日常の平穏な変哲のない生活 "光" と、これでもかという際どい対比で眼前に幾度も提示する。けれども印象的で和み美しいのは
エンディングでの、つながりのある短い二つのシーン。病院、そしてアメリカの古い家の中。
2つのシーンはごく短い少人数の一対一会話のみで描かれる。庇護、そして、救済。安堵。ダークすぎた正義のヒーロー、その所業の理由は最後の数分。ごく短く、good question の会話として、もたらされる。
“平準化する者” とは、決して陽の目をみる正義のヒーローではなく、影の存在として悪の掃除人的な位置付けでの描き方なのだろう。英語の言葉の意味に遡る。
◉映画を、英語オリジナルで観るべき理由はこういうことだからなのだ。
👉謎解きが淡々と、だが人 一人の大切な思いの積もる人生の集大成として、鑑賞者に明かされる。その作品展開順序とシナリオの仕掛け。
数字が語る一人の人生。犯罪、正義の成就。
366,400 dollars. Cash. U.S. Sicily,
So, what's it for ?
It's Greg Dyer' pension.
Greg Dyer. He's a bricklayer. 43. (McCall)
Boston, Massachusetts
"Your mother would be proud of you. R M"
( WRITTEN BY RICHARD WENK )
( DIRECTED BY ANTONIE FUQUA )

🌟 Dakota Fanning
映画は多彩。ストーリー、場面展開、台詞、伏線、人間関係、善悪、怒りや嘆き、力のなさ、庶民感覚。そしてnarrativeな謎解きのための注意喚起は心理戦。
- 観る者が眼前に並べられた場面展開を材料とし、そのヒントから次を、その先を、何かを、つかみとる
- 知ろうとする
自身の体験や知識の積み重ねから、解釈しストーリーを自ら組み立て理解していく。その知的な再構築の営為の楽しみ。それがあれば価値あり、貴重なものとなる。ことづくりの本質だ。
トム・クルーズと共演した "宇宙戦争" の作品でその存在を知り名を調べた。子どもだった。
CIAケースオフィサーとしてこの事件に関わりシシリー島の町にやって来る。デンゼル・ワシントンがシリーズ作品で演じるマッコールに絡む役を演じ、彼との短いセリフの応酬がクールだ。大人の女性となったその姿。最後のエンドロール、クレジットでわかったとき。面影が残っていると気づいた。立派な成人の女優になった。演技もよかった。懐かしく幼い頃の顔が頭に浮かんできた。トムとともに侵略者と戦い逃避する姿を覚えている。昔を知り、そしてまたスクリーンでその後の成長した姿を見出したことに驚いた。
- 役者とともに歳をとる
- 違う人生を垣間みる
- 正義の完遂に安堵を覚える
映像作品の楽しみ方としてのこの見方に気づいた。書を読む効果とは落差がある。
- 心の変化と時間と空間を超えた成長か。
提示される時代もシチュエーションも異なるふたつの作品が、ひとりの演者の成長の証となり、観る者の内部で成就する。
作り手の意図から離れ、作者の手の届かないところにある別次元の存在。私が私という自我を離れ気づくそれ。年齢を重ねたことで得られるその成果。
本を読む行為とは決定的に異なる点。それは演者の話す ことば から生身のものとして追体験的に観る者が感じる、映像ならではの愉しみ方なのだろう。
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