Clint Eastwood 監督・主演作品
しっとりと感情に語りかけてくる良作。題名は今一つの感があるが、しかし最後まで魅せる。
☝️Web検索した画面を使っています。
映像はちょっと古くさい印象…だがそこがこの場面設定としっくりマッチしているといえる。
- 舞台はメキシコ🇲🇽…そこから一種の逃避行。そしてゴールはお決まりテキサス国境
ストーリー展開で随所に見られる風景は🇺🇸中西部。定番の岩山や丘と、草の生えない土漠。その殺伐とした荒涼な風景とともに、この老人とともに逃避するラウル少年の話は進む。
アメリカで暮らした人間にはすごく懐かしい郷愁感たっぷり。一方で古めかしいウェスタンものをそもそも知らない今の若い世代の人たちにはどうなのか?むしろ目新しいのだろうか?
- 荒くれた乾燥台地だから歩けば埃が舞い、馬を乗りこなせば埃まみれだ。いわゆるお決まりのアメリカンカウボーイ🤠世界観…
それが根本にあるわけだが、最後までハラハラしながら成り行きを見守りたくさせる。逃げるチームと追いかける側のシーソーを見せる。
一世を風靡したといえる "イーストウッド的な" 強くて曲がったことが嫌いで、ヒーロー的カウボーイが活躍する西部劇は彼が持つ不変の男の生き様。それが理想系なのだろう。勧善懲悪ものの延長であり、年寄り高齢版での焼き直し。
男女の機微と繊細さも描く。欲張りなストーリー展開。年輪を重ねたイーストウッド自身が主役としてドライな見せ場を作りながら、周到にそれをクサい芝居にせず、見事に家族愛的な綺麗な一面も描き切る。
- スペイン語を解しない主人公のため通訳するラウル。異なる民族間コミュニケーションをうまくストーリー展開に乗せ運ぶ。
そんな多様性ある演出と脚本が、今流行りのように頻繁に語られる "インクルージョン" を感じさせる。それは人物の関わり方をうまく描いているから。だから実に古臭いアメリカンな舞台のシネマなのだが、そんな新しい感覚を併せ持つところがとてもいい出来で、強い作品だ。
✴️ この、さすがのイーストウッド監督物語は、馬、車、さらには動物愛を取り入れ、静かに最後の場面へと、じわじわらり観客を連れて行く。そこに銃をぶっ放した LA警察のはぐれ者ダーティー・ハリーはいない。拳銃で脅されるあわやの場面では、"マッチョ" という名前の闘鶏の🐓鶏が無頼漢に襲い掛かり、銃をおとす。そして形勢逆転。銃撃シーンは一切ないのだ。平和。相手を殴るシーンはあっても、それは老人がギャングをの正義の鉄拳のみ。暴力的に見えないかたちにうまく仕立てている。
そうやって母性本能と防衛本能をくすぐる。
✳️ 人間愛、親子の愛憎、助け合い。異文化、多様性、愛憎と癒し。すべてをうまくミックスして、冗長さもなく。極め付けは、やはり90才を超えた彼自身。クリント・イーストウッドの演技。そこが見ものである。💮💮💮
△▽
また同日に、こちらも観た。
(感想) Wikipedia / ウィキペディア でわかる通り日本のライトノベルをベースにしたハリウッド映画🎦、トムクルーズ 主演。
SF…このタイムループする場面を何度も見せながら、ストーリーを前へと進めていく、繰り返す同じ「そのとき」を何度も見せるために提示して、しかしストーリー展開にうまくつなげて"魅せる工夫"!のレベル感には舌を巻く。
まだまだ見足りない映画、シネマ世界は広い!
映画の中で見事なテクノロジーと映像で見せてくるこのタイムループ、それは昨日から今に至る自分のリアルと重なる。
- 10時前に床に入ったら寝足りたか3時台に一度目が覚め、4時台には覚醒してしまい、今四時半過ぎ。もうすぐ起きて仕事に行かないと…のタイミング。
- そういえば、この生活パターンは、実際ときおり繰り返してるなぁ…。長い人生を生きているとそんなことの繰り返し。既視感を超えた、まさに自分の現実世界で起きているひとつのタイムループかもしれない。
映画の世界は広くて多様性に富んでいる。
🌟こちらはユーモラスで、ハートウォーミングな一作。
『七番房の奇跡』…涙なしには見れない作品
(7/22 月曜夜、鑑賞) 二重丸の作品、また一つ。
J417さんの映画「パリタクシー」レビュー(感想・評価)をシェア ☆4.0 #映画 https://eiga.com/movie/98840/review/03242620/
なかなか美しいストーリーでした。