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都市伝説 #別班 (BEPPAN) @自衛隊

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"8/13(日)第5話放送、TBS系日曜劇場『VIVANT』の参考文献で話題" …と、8/11日経新聞3面に広告を打ってる。"首相さえも知らない謎の部隊「別班」とは?" とアジってます。

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 まず初めに。現実、リアリティ。この現実世界が全て表の存在だけで無難に、そして安全に回っているはずがない。そう思っている。

恐れずに言うが、公式に言えないことは存在する。不文律、非公式、秘密の存在。そうだとしても、そのことがすなわち即、文民統制から外れている、違法だ、とは必ずしも言えないところがあるのではないか。グレーゾーン。白黒つけられない『正義』の定義高度な議論になると思う。

本の感想文。まずここから始めよう。

もしも・仮定だが、防衛省あるいは自衛隊の中に “それ” 別班 (BEPPAN) が存在するのなら大きな意味で国家公務員。法律に基づく設置、構成員の存在ということ。憲法で保障された内心の自由と、憲法の下で法律に規定された公務員の義務との狭間には何があるか。憲法と法の趣旨、目的を守って国民の利益にかなう行動をしている限りにおいて官僚機構は表に出ない。明らかにされない。それは問題なのか。

そのような国家と国民とを"護る" 存在があったと仮定するとき、私ならまずは感謝しておく。

#別班
(衆議院議員鈴木貴子君提出陸上幕僚監部運用支援・情報部別班(別班)に関する質問に対する答弁書)
https://twitter.com/monacasec/status/1054688007570124800?s=46

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(出所 : 画像は防衛省Webサイト、陸上自衛隊自衛隊壁紙・写真館 | 防衛省自衛隊 キッズサイトから
https://www.mod.go.jp/j/kids/gallery/index.html

【読書感想文】講談社現代新書自衛隊の闇組織 - 秘密情報部隊「別班」の正体』 石井 暁 著 2018/10/16 第一刷 借り出した。

「はじめに」から一部分だけ抜粋して引用する👇

関係者の話を総合すると、別班は「DIT」(防衛情報チームの略) とも呼ばれ、数十人いるメンバー全員が陸自小平学校の「心理戦防護課程」<後述>の修了者。同課程は諜報<密かに情報を収集すること>、防諜<スパイの侵入や活動を防ぐこと>活動を教育、訓練した旧陸軍中野学校の後継とされる。

▶︎組織の出自や来歴はそれなりに描き出している。けれどこの本は

  • ジャーナリストである著者が自身の取材活動を追ってそこを骨組みとして "自己活動の記録もの" である。だから主体的。
  • スタンスとして、著者本人の取材の壁への不満が随所に渦巻いている。強い不信感。

👉存在すること自体「悪」の不要な組織だと完全に決め付けるスタンスだからだろう…(ストレートに言ってしまえば偏向、かも知れない)。

結果的に読み手としては読後感がまったくすっきりしない。全体トーンに流れる基調のせいだろう。

【問題意識】これはドキュメンタリーと言えるのか。

【感想】読み始めてすぐ分かること : 

  • 防衛省自衛隊の秘部を暴くスタンスで
  • それを『悪』と完全に断じ、
  • 文民統制を振りかざす体制批判は、
  • 逆の意味で "第3権力の濫用" であり、
  • 改善策や提言を提示することなく、
  • "アンチ" のオンパレード、

【提言】

▶︎事実だけ客観的に描き、それと著者の仮説や想定とは区分けする。そのことにより謎を探求するスタンスにする。そうすることで読者に考えさせるトーンに仕立て、より信頼性あるものにすることが出来たかもしれない。

👉海外で非合法・不法活動を行なっている(かもしれないが証拠はない) そのような組織の存在(これは立証ができていないのでOBや近い関係者の証言のみから構成される)防衛大臣など組織統制をすべき政治幹部にも知らされていない。と言うか、存在しないから回答もできない、と公式返答されている。

それを言質として、だからこの闇の官僚組織が勝手に暴走して海外で独自の行動を行い、結果として文民統制を逸脱しているのだ、と半ば断定している。"読んで残念" が読後感。

◉本作の著者についても調べた。以下を参照。

石井暁 - 出典 : Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%9F%B3%E4%BA%95%E6%9A%81

視点を変えて、もう少し書き綴る。

✳️ 日本に古来、忍び、忍者、隠密🥷という存在がある。NHK大河ドラマ「どうする家康」の伊賀者や甲賀者などを見るがいい。何が正義か。正義とは何か。存在の真実は何か。

事実は小説よりも奇なり。だが推定や仮説はある意味、とても恐ろしい。

  • 我々の知らないことは世界中に、そしてこの日本にも人知れず転がっている、そう認識しておくことは無難な "正解" だろう。

しかし存在しないものを「ある」と仮説を立てて複数かつ多くの取材や会話から仮説を元に積み上げていき、創り上げた書籍。それはドキュメンタリーとして事実か。砂上の楼閣か幻か。

  • 白日の下に知り得ない、解明しきれない "真の事実" を表現の自由という名の権力を濫用して、もしも曲げたり毀損してしまうなら、大変なマイナスの副作用を産む。
  • そのことにジャーナリズムに携わる人はしっかり自覚し、留意をしなければいけないだろう。

参考となる (2023/8/9) Reutersニュースから

米、日本との情報共有に自信=国防総省
https://jp.reuters.com/article/japan-cybersecurity-china-idJPKBN2ZJ1NW

▶︎中国軍ハッカーが日本の防衛機密にアクセスしていたことを米国防総省筋が把握し、日本当局へ通報した旨のメディア報道が出た。だが当局は公式コメントしない。

👉このような防衛面のせめぎ合いは日常的にわれわれが知らないところで起き、それに対するカウンターも対処されている。

そのような防衛と安全保障に関わる情報は一切公にされることはない。それが実態。

❎ジャーナリズムの矜持とは正義か。それは自らの主義主張の為にする体制批判であっても公共の利益に値するのか…。読者・読み手側が冷静にしっかりと考える必要があるだろう。

『闇組織』?…私は肯定も否定もしない。しかしそれがあるとした時、その存在を公に知られた時、所属する当事者には危険が訪れる。その一方、存在しないものには敵もいない。都市伝説や噂か。あるいは著者がキャッチした批判のための対象たる "影に隠された道具" なのか。『暴く』こと自体が謀略的ジャーナリズムか。

最後にこう言っておこう。

  • 社会の重要なものごと、出来事を冷静に、しかも批判的に読み解くことは、不可欠で必須のスタンスだろう。
    それこそがインテリジェンスであり、"ヒューミント" なのかも知れない。

2023/9/3(日) ちょっとみてみたらかなりのアクセス数 (257) だった。中身はどこまで読んでもらえたのだろう。

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