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コロナ後の世界と巨大企業独占の過ち

コロナ禍が落ち着いたら、その後の世界と経済、企業経営はどう変わっているのか。資本主義社会 イコール 強者(適者)生存・弱肉強食、自由な競争社会で強いものが勝つという社会の倫理、道徳を考えていく。

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 がめつく、なりふり構わず、人を蹴落として競争にがむしゃらに勝つことだけを考えて突き進む(企業経営や人材開発)スタイルはもはや古すぎる。国連のSDGsなどを見て、そんなやり方は違う!ともはや多くの方が感じ取り、分かだていることだろう。

 独占禁止法の運用強化を含めて、巨大独占企業が富を一手に獲得しすぎて、労働分配率が悪化する世界のままだとすれば、間違いなくこの地球はいい形で持続はしないのではあるまいか。競争法の運用(巨大企業の買収認可を含む政権側の企業への対応)に変化があるだろうと思える一冊に出会った。

💮マルクス・ガブリエルというドイツの天才哲学者曰く、コロナ禍前の世界がおかしくて、コロナ禍以後の方が良くなるというような考えを表明しているらしい。分かる気がするのでもう少しこのキーワードを見ていこうと思う。

 

  • 米国独禁法当局トップに就任したリナ・カーン氏と共に有名なティム・ウー(前コロンビア大学教授)現在、米国の国家経済会議(NEC) のテクノロジー・競争政策担当の米大統領特別補佐官(反トラスト法が専門)の「巨大企業の呪い」”The curse of the bigness” を訳本で読んでいる。米国の司法省対巨大企業の闘いの歴史を紐解き、近代ではIBM以前と以降の米国大企業の分割なども詳しく、分析している一冊だ。
  • (意外だったことは)著者ティム・ウーは日本の1980年代第5世代コンピューター開発の国策を失敗と評価して取り上げていることだ。この失敗になぞらえて中国IT企業に対する共産党の能動的な支配と指導が今後もさらに高まることにつき、日本と同じ轍を繰り返さないかと言う、懸念で指摘をしている。
  • 彼は一部の巨大企業に頼りすぎる業態独占と政府の施策の過ちを日本を実例に引いて、中国の現在に強く警鐘を鳴らしている。
  • がしかしこの第五世代コンピューターの件は、実の所、向かう方向を見誤った日本政府の産業保護政策・成長戦略と当時の複数の大手コンピュータメーカーの業界寡占の「護送船団方式」と言われる体制にその問題の根本的な本質があったのではなかろうか。無論、結果論なのだが…)

 

「巨大企業の呪い」

”The curse of the bigness” Tim Wu 氏から

引用「 」部分をもう少し続けてみる▼

WeChat (微信は中国で最も利用されているメッセージングやソーシャルメディア用のアプリで10億人を超える。「Whats’Appにfacebookを足しさらにPayPalとウーバーとグラブハブを加え、さらにその他大勢のアプリを足したようなもの」だとあるジャーナリストは例えた。」
「WeChatとその親会社であるテンセントは民間企業だが、近年政府との関係をますます深めつつある。テンセントはAIのチャンピオン企業として指定され助成金を何度も受ける。中国政府は国民識別番号をWeChatに紐付ける計画を発表。国民監視ツールとして使い犯罪者や反体制のに目を光らせるのではないかと考えられている。」


facebookが本当に求めているのは、自分たちは海外の企業と戦っているのだから、西側最大のソーシャルメディアの独占企業として認め、地位を保護しろと言うことに過ぎない。しかし、激しい市場競争にもまれた方が、技術的にも消費者サービスの点からもはるかにうまくいくと考えた方が正しいのは、これまでの歴史が示す通りであり、経済学の基本でもそのように示唆している。」


「政府がfacebookやアップル、Googleなどのような企業を擁護することには、極めて重大なリスクが潜んでいる。facebookGoogleが1つになったとしよう。この2社で、これまで存在したあらゆる組織や企業より、最も多くの個人情報を所有する。両者が結びつくことで、明らかに選挙の結果を左右するほどの影響力が持てるようになるのだ。もちろん、選挙の動向を支配する圧倒的な影響力ではないが、雪山にもつれ込んだ場合、有権者の投票行動を左右するには十分な力である。」


「独占的な地位に永久にとどまろうときめこんでいる組織にこのような力を授けてしまえば、実に憂慮すべき結果を招いてしまう。おそらく、そのような事態は、テクノロジーを使って国家を支援することこそ自分たちIT企業に課された義務と言う、一見すると災いとは無縁な動機から始まる。しかし、全盛期の独占の歴史を踏まえるなら、これこそ紛れもない「隷属への道」であるのは言うまでもないだろう。」

  • IBMが、まだスタートアップに過ぎなかった当時のビルゲイツMicrosoft社とソフトウェアを契約した際に独占的ライセンス契約を結ばなかった背景。そこには当時司法省から提訴されていた独禁法違反のその後の被提訴リスクなどの思いが相当程度の自己抑制ブレーキになっていたようだ。
  • そのおかげで(本書の説明部分の詳細は割愛するが)今のITのオープン化が拡大していったのだから、巨大企業の経営の舵取りいかんで、世の中は大きく変わるということだろう。実証例と言っても良いと思う。