🇨🇦 PART-1 : G7の蹉跌
カナダのカナナスキスで先日開催されたG7についてごく真面目な意見を引用しておく。
渦中で閉幕した主要7カ国首脳会議(G7サミット)は、 決められなかったことばかり目立つ会合になりました。そして「 G7マイナス1」という状況は少なくともこれから数年続きます。 「誕生50年、G7に日本の居場所あるか アジア代表の価値高めよ」。G7の存在価値を再び高めることができるでしょうか。 お祭りのようにG7を報じていた時代を懐かしく思います。
このくだりから、大学時代、国際政治ゼミをリマインドした。当時、そこでは核戦略と抑止力や、今でいう国家安全保障のこと、ゲームの理論などを、二十歳・白紙の頭で学んだ。
ゼミの主体は指導教員・岡部達味先生の著書『日本とASEANの進路』を題材にしていた。
3年生の私と友人たちはそれぞれが与えられた著書の関係箇所に関するレジメを手書きで書いて "ガリ版印刷" し、ゼミの席で順に発表した。実家仕舞いの際、捨てずに保存して今も自宅にその紙がある。PCもプリンタもない時代の話
内容は覚えていないが、心の奥底にその残り香、残火としてASEANを抱いている…
- 日本はASEAN諸国とどう関わり、アジアの未来にどのように進むべきなのか
が大きく、困難な命題として刻まれている。
- 日本はアジアのリーダーたりうるか?
- それは、経済すなわち国際援助か?通商面か?👉TPP主導は、一役買ったのかもしれない
- 政治と外交の領域は?
- 安全保障問題では極東からインド太平洋へと意識の拡大変化があったが、今後は?
政治や外交の世界に進まず、企業人になり、いま通商や貿易の世界に所属している。そして単に一人の市井の民として報道や書物を読む程度。そこから考えるレベルでしかないが、上述したG7の指摘について少し思ったことを書く。
◎ G7に日本の居場所はある。
- けれども、それはアジア国家群の代表の価値としてか?...否、
自由主義圏国家のひとつとして地域的に極東から参加している。その元は経済規模の評価だったからであろう。それが日本のGDPは今や世界の6%に過ぎないところまで落ちているという。そんなことが本当にとても信じられない。
✖️ ASEANの意見をG7に届けるに値する行動など、歴代の政権は特段していないのではないか?少なくともメディア報道を見る限りでは…
参加して西欧首脳の考えをフォローすること、世界の経済や金融、そして、和平に関しては一定程度の意義はもちろんあったけれど、そこから一歩先へと踏み出すような "ニッポン外交の質的良化" へは至っただろうか?…今そんなことを思う。
PART-2 : 新たな自由貿易・通商のスキームはできるか?
グローバルな自由貿易体制は危機に瀕(ひん)しています。 新たな枠組みがいよいよ動き出すかもしれません。「『EU・ TPP主導で新貿易機関』 欧州委員長WTO代替構想を提起」。 フォンデアライエン委員長は7月に来日する予定。 日本はかなり重要な役割を果たすべき立場にいます。
出所 : NIKKEI 編集局長山崎浩志氏のメルマガから一番抜粋引用 ⤵️
「EU・TPP主導で新貿易機関」 欧州委員長、WTO代替構想を提起 (日本経済新聞)
国際法・ルールと日本 2025年6月27日 9:24
ところで、現在の少数与党・自由民主党の総裁(党首)にして日本国総理大臣(首相)である石破茂氏は慶應義塾大学法学部卒。年代として私と同期・同一世代に当たる。彼は防衛大臣経験者であり、自民党幹事長経験者。確か安倍政権時には地方創生大臣も務めた。国家安全保障には一家言持つ硬骨漢かと思っているがどうだろう。
今回のNATO会議に招聘されていたが、直前で訪欧取り止めとの報道があり、6/29(日)のフジTV日曜報道で取り上げられていた。その判断の背景、考え方に対する賛否と是非をここでは差し控えて書くことはしない。
目下のところ日本の国家として喫緊の課題はトランプ政権との関税交渉。その最中で、交渉当事者である赤澤経済財政再生大臣は今、まさに七回目となる訪米の最中。米がイラン核施設をバンカーバスターで攻撃したこと。その元にあるのは♤トランプが従来以上に明らかなイスラエル寄り政権であることなど世界は動く。
先般、日経新聞1面に大きな文字が踊った。石破政権は、日本が主導して発効させたTPPを拡大していくことや、EUとの(自由貿易面の)関係強化で、自由貿易体制を守ることをやっていくと表明をしている。その点は大いに評価したいけれど、具体的な動きの報道は今のところ何らメディアに漏れてこず、全く不明である。
✳️ 政治と外交とは何か?
といえば、国家と国民の財産生命を護持し、国の経済を発展させるという命題と使命、その目的のための手段が国内政治及び外交ということになる、と理解している。
そこでの"手法"には、"通商" や経済安全保障および防衛費の問題を核とする外交交渉が絡み合って来る。それこそ複雑系の世界だろう。✴️ そこに正解を導き出す方程式や物理的法則によるサイエンスはない。あくまでも "人治" というひとによるリードでの politicalな判断とその行動とに世界は左右され、作用反作用の法則に似て動いていく。他国やステークホルダーとの交渉がある。それに対する相手の反応・リアクションが起きる。それらが相互に作用し、連鎖的な反応や、反発などをして、相手との距離感や考え方が流動・変遷していくという政治的な効果が発生する。その行為行動の結果として、世界、つまり他国と自国とがその関係性をさまざま変えつつ、時間が進んでいく『時政学』的な面での変化もある。そこにまた地政学・ジオポリティクスも絡む。まさに複雑系だろう。
(7/2 重要な追記)
#トランプ関税 #トランプ関税交渉
七回目の訪問結果から予測 (7/2の時点で)
7/9、何が起きるか、喫緊の焦点。
残念でならないことにならなければよいのだが。日本の通商での提案パッケージがトランプ大統領には刺さらないままで、2国間交渉のよき妥協点を見出せないまま、一方的な関税率通告などの Dear Japan お手紙頂戴などにならなければよいが…
G7での♤氏の退席以降、関税交渉は、世界の紛争地域の政治問題と、米国の減税法案とにかき消され、♤氏の関心は既に心変わりしているように思えてしまってならない。
先週末から現在(7/2) の時点に至り、私はいま、強烈な懸念が高まっている。