Andy.S の雑記帳 (andy-e49er)

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TPP と 日米台中: 経済安全保障の時代

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💮 武力を使わずに安全保障を実現する経済安全保障や地経学が21世紀の21年目に新たな世界秩序を形作り始めている。

 衝撃を受けた認識がある。10月18日付日経の第五面に出た記事。
「経営の視点」に編集員(太田泰彦氏)が描いた解説記事だ。題して、
"日米豪印「枠組み」の真意は" 
いわゆる QUAD の枠組みについての理解を説いている一説にこうある。

地図の上で4カ国を線で結んでみよう。歪んだひし形の中に、東南アジア諸国連合(アセアン)と台湾がすっぽりと収まる。
クワッドの声明が言う通り、南シナ海付近は周辺はサプライチェーンの「中心」なのだ。
環太平洋経済連携協定(TPP)は、太平洋を囲む国々の経済同盟とされた。だが、実際にはアセアンの大半と台湾は参加していない。

こうした虫食い状態が続く限り、TPPは間太平洋の水平分業の土台にはならない。 (中略)  別の手段でアセアンと台湾を囲い込むしかない。それが安全保障と言う大義である。
日米合意の首脳が共同声明とは別に、技術に関する「クワッド原則」を特別に発表した意図がここにある。民主主義、人権尊重の名のもとで、先端技術の設計、開発、管理、利用法に至るまで連携することが決まった。現場では中国が入り込めない価値観の壁だ。
クワッドを起点に新たな通称秩序作りが始まる。
その大波に、企業はいやがおうでも巻き込まれていく。

以上、囲み部分は全て(太田泰彦氏)@日本経済新聞

▲▼

前略。TPP ( Trans-Pacific Partnership Agreement )
この懸念事項 最大の問題点は、
『加盟国は実質的に新規加盟申請への拒否権を有する』仕組み 
としたことだろう。後述する。

なぜそのようなメカニズムにしたのか。アメリカと日本でC国を想定していたのか?(と言う定説になっている)公開された明確な背景の意図表明の有無も、全く知らず、また聞かない。この点も後述する紹介の論考で明らかになる。ぜひ確認したい。

オバマ時代に推進したものをトランプ大統領のとき、就任直後に)アメリカが外れた。そのTPP…C国が申請して、即座に台湾も申請を出した。このことでこの協定はおそらく決定的に、顕在化した政治的なconflictを産み出すパンドラの箱へと変貌してしまったようにも思える。(9/25 ✍️)

(2021/10/8 読んでみた結果、示唆に富むのでぜひ紹介して、一部を引用し、考えるきっかけとして行きたい。)⬇️

中国のTPP加入申請について

中国のTPP加入申請、安易な妥協をしてはならない ~なぜこのタイミングで申請したのか~ キヤノングローバル戦略研究所 (cigs.canon)

本論考の中に以下のくだりがあり、重要なポイントなので引用・ 紹介したい。⬇️ 
題して、加入交渉は開始されるのか?
加入申請すれば、加入できるものではない。
今回の特殊な事情として、アメリカ、カナダ、 メキシコの自由貿易協定(USMCA)に、アメリカは、カナダ、 メキシコが非市場経済国と自由貿易協定を結んだ場合、 USMCAの終了を通告できる趣旨の規定がある。

カナダ、 メキシコにとって、 中国市場よりもアメリカ市場の方がはるかに重要である。 アメリカが両国に圧力をかけるかもしれない。カナダ、 メキシコが、中国との加入交渉入り自体に反対する可能性がある。

なるほど、USMCAのその規定はTPPに関して明らかに関係性を有しているものだ
🔻

🔻
TPP11 ( CPTPP ) と米中関係…と題したのだが、すぐにこの問題は日米台中、そしてアジア太平洋地域の地政学および地経学の大きな懸念事項となることが判明してきた。

21世紀は今、過去の "COCOM” 体制と米ソ冷戦時代、そして現在の枠組みである
ワッセナーアレンジメント」を越える QUAD / AUKUS / Five Eyes など、NATOから、インド太平洋地域へ重心を移し替えつつある。自由主義国家群 対 専制主義国家群 との "経済安全保障の時代" になった。

 半導体の確保など経済安全保障上の政治的思惑と、他方で国家の外交一貫性(…🇯🇵日本は🇨🇳中国との国交を樹立しており、しかし🇹🇼台湾とは外交関係がないこと)とが、いま思わぬ所で真っ向から対立することになりそうだ。

そんな綱渡りの関係性に陥ることが想定されること、まさに痺れる展開。記事参照⤵️

日本経済新聞 9/23 3面| https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA22DEE0S1A920C2000000

この件、長い目で先々を見通すと、国家の在り方と長期的に実に重大なる政治判断の一大事、大切な課題。軽々な予測は控えなければいけないと思う。すこし考えてみる

例えば、直感的なコメントとして✍️

  • a. 日本は🇨🇳中国も🇹🇼台湾も承認しない、と言う明確な態度を表明する。
    (元々米国と自由な貿易圏を作りたかった、その背後には両国とも中国を見据えていた)
  • b. 自国の態度を国内事情などを理由として結論を出さず態度を保留。
  • b2. 豪州が(中国を理由に)承認を保留する状態を見極めつつ、自国も静観する。

など思いつくのだが、またこうも思う、

  • c. TPPの主旨、本旨に照らして、論理的にはいずれかを承認し、
    他方を承認しない。

政経分離して、論理的なルールに基づく選択肢としては、より中立である気がする。(政治的、道義的にどうなのかとは、も話題を切り離す)

直近の米国発情報リンクを2つ掲載しておく。

ジェトロ・ビジネス短信・ニューヨーク発

2021/09/28
バイデン米大統領、対面形式では初のクアッド首脳会議を開催(米国、日本、オーストラリア、インド)

https://www.jetro.go.jp/ biznews/df35772fd63968c8

2021/09/27

有識者・団体、台湾のCPTPP加入について、 バイデン政権に支援を促す
https://www.jetro.go.jp/ biznews/616804f03ad45306

👉次期自民党総裁・実質的な次の総理大臣と新政権のまさに踏み絵になることは間違いないだろうと思う。その後、海外Mediaの反応は以下のリンクの先でサマリされているので参考まで。その中でも カーネギー国際平和財団 アンキット・パンダ上席研究員 のコメントは参考に値する。(下記:ジェトロ・NY発)

Date: 2021年9月27日(月)  中国・台湾の同時TPP加入申請【関連情報】
日本の安全保障と自由貿易とが交差する中国・台湾の同時TPP入申請~中国のTPP加入を強く警戒する米国...:(出所:木内登英Global Economy & Policy Insight | 野村総合研究所
日本の安全保障と自由貿易とが交差する中国・台湾の同時TPP入申請 | 2021 | 木内登英のGlobal Economy & Policy Insight | 野村総合研究所(NRI)

難しい経済安保と成長戦略の両立~中国のTPP加入申請をどう見るか...明治安田総合研究所
meiji210924_anpo.pdf (keizaireport.com)

🔻当初書いた原稿(以下) : 

 昨今、FTA* (日本流の呼称では、"EPA*本稿末尾参照とも呼ぶ…) の最新情勢を見ていると 米中対立いわゆる米中貿易摩擦(物騒な言い方に変えれば、『貿易戦争』)の様相が顕著である。今や垣間見えてくるどころか、かなり露骨に顕在化し、政権トップがお互いに発言で干渉し合い、国家があからさまに対立する姿・形になっている。それが現代のリアルな世界地図の実態であろう。そんな世界の構造が眼前に浮かび上がってくる。

2021年9/21時点では以下のような動きがあった。(いずれも出所:ジェトロ・ニューヨーク)

 この領域における国際関係論は、旧来からの伝統的な国際関係論とか国際政治、
あるいは外交の枠を超越し、新たに 経済安全保障 (※) としてフォーカスされている。
あるいは地政学から出た新語の 『地経学』 と言い換えてもいい
だろうか。

(※) 経済安全保障特集ページ | 公安調査庁

 QUAD**Quadとは;日米豪印の4カ国で中国対抗、豪政府の原子力潜水艦における仏国製導入の破棄と英米協力表明、先端テクノロジーに不可欠となる「半導体製品」の供給ひっ迫やその確保への各国政府の奔走、重点政策の投下 ***本稿末尾参照記事、台湾資本の半導体ファウンドリー TSMC社、など、挙げるべきキーワードは昨今枚挙にいとまがない。

これらについて、国・省庁、シンクタンク、メディア報道、アカデミア等々有識者の手による多くの情報、記事・報道と、専門家の論評など、文字通り次々・続々とネットにあふれてくる。なのでこれらを全て読みこなして情勢を認識し、世界の動きに追い付くことがもちろん重要である。一方で、全てを知っていても、拙ブログで中途半端な講評や論旨を披露することは笑止。よって以下、関連情報のリンクを掲載することにとどめる。

▼▼ 以下6つをリンクで掲載 ▼▼ 

<上の記事から抜粋・引用> 半導体は膨大なデータ高速処理や人工知能(AI)、第5世代(5G)の移動通信システムなど先端技術に不可欠だ。軍事転用も可能なため経済安保上の最重要物資だが、日本は半導体の6割超を台湾と中国などからの輸入に頼っている。

例えば、

FTA/EPAについては、貿易実務検定協会・マウンハーフ社が主催する EPA検定試験 の存在が頭に思い浮かぶ。経済政策や通商分野では、まずEPA(世界ではむしろFTAと呼称するのが通常である)について学び、体得することが重要である。
・次いで、経済学部・政治学科・法学部 辺りの学徒であれば、EPA概要の知識は当然としても、さらに経済安全保障、安全保障貿易管理辺り(例:STC資格試験 By CISTECまでウィングを拡げて、勉強しておくことが望まれる。社会常識として就職(試験や面接)などにも不可欠であろう。
・更に経済人・企業人や経営者には、国際政治経済と世界情勢、あるいは金融と為替の動きなどは不可欠の常識である。メディアの代表的存在である日本経済新聞は当然として、世のオピニオンリーダーの論評なども、SNSやネットで頻繁に触れておくは必須であろう。

ところで9/22 実質23日にこれがTwitterで報道されている。⤵️

以下は、現代FTAと国際政治経済の貴重な資料である。#地政学(または #地経学)について、P.20 をご参考下さい。⤵️

通商政策の新たな地平【畠山襄追悼論叢】
ITI調査研究シリーズ No.121 2021-09-16 :

国際貿易投資研究所
FTA地政学今野秀洋氏による追悼文…🔗リンク下記
http://www.iti.or.jp/report_121.pdf

(付録)世界ルールを守らない危険な自国優越主義↓

 最後に、日本の岸田新政権が目指す新資本主義にも「中間層を富ます」点で同類と思える中国の直近の動きについて示唆にとむ論考が出たので、こちらもしっかりと読んで理解を深めておきたい。⬇️

「共同富裕」政策は格差縮小につながるか:柯隆が読み解く(中国 総合研究センター)
「共同富裕」政策は格差縮小につながるか SciencePortal China (jst.go.jp)