☝️「今は昔の」私の勤務先・米国カリフォルニア州の半導体製造現場。日本帰任の際いただいた記念写真フレームの中に、半導体チップとリードフレームの実物が入っている。主力製品、256Kbit のDRAMだ。
(日経新聞11/3 14面ビジネス1 記事からの要旨)
✍️ミネベアミツミは日立製作所から電力制御に使うパワー半導体などを手がける事業を400億円程度で買収、その製品化技術を取り込む。同社がウェファーからの製造も手がけているのは知らなかった。元々のミツミが保有していたのだろうか。
【ポイント】日立の製品化技術を獲得することで半導体事業領域の拡大を進める。
#ミネベアミツミ
主力のベアリングモーターなどともにアナログ半導体事業にも注力。今後アナログ半導体に加えパワー半導体も強化。
▶︎半導体産業は技術革新が激しく、需要変動も大で、事業の入れ替え戦(M&A)も大きい。業界を引き続き注視する。
次 : (日経新聞11/3 14面ビジネス1 記事から)
「問われる半導体供給も、拠点分散より国内で増強」「技術人材に競争力」(SUMCO会長橋本真幸氏) 曰く、
#1・「世界シェアが20から30%あると、ウェファを使うすべての顧客から声がかかり、業界全体がよく見える。10%以下だと、顧客が限られて技術開発をするための知見も入りにくくなる。
#2・一方で、現状から一段と規模を追求していくと独占禁止法に触れる。
#3・半導体業界でシェアを伸ばすためには、市場の成長以上の投資が必要になり、莫大な投資はリスクも大きい」
( 「番号・」は筆者が付けた)
1.👉なるほど。そうだろうと合点が行く
2.👉確かに勤務していた企業で調達を担当していた当時、独禁法に触れる市場シェアの閾値は当時 25%超過辺りだろう、と法務部から聴いたことはよく覚えている。(FYI : HDD調達していて米国サプライヤーは大手4社ほどあり、うち1社が競合先に買収された。Seagate が、老舗Maxter を吸収合併した。その頃の確認だったかと思う。90年代後半の話だ。)
3.👉成長には製造設備の更新、すなわち設備投資が金額が莫大。しかし、製品が製造メーカーが多く供給過多、もしくは需要減となると、価格がすぐに値崩れするので売上収益は減る。常にこのリスクと隣り合わせなのが半導体事業、特にメモリ製品の特質だ。
「半導体関連の製造拠点の分散を実現するのは難しい。例えば優秀な人材が集まる台湾に対し、Googleやアマゾン・ドットコムなど巨大IT (情報技術)などに人材が流れる米国で必要な人材を採用するのは厳しい。人件費が高く、見積もり以上に製造コストが高くなることが多い国で製造すると、利益を出すハードルが高くなる。」
▶︎ここでは主にChina Risk、すなわち経済安全保障issueを念頭に "製造拠点の分散" を発言しているようだ。要するに、(経済安全保障により) 問われる半導体供給の基幹材料たるシリコンウェファ生産も (海外国への) 拠点分散より国内で (生産) 増強、と言っている。つまり半導体生産の強い米韓台などの現地生産近接地で最重要のSiウェファ生産を行うより日本国内生産を優先する、ということだ。これも経済安全保障を念頭に置いた戦略だろう。