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経済安全保障と多国間通商…広島サミットを目のあたりにして

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G7、新たな対ロシア制裁準備で結束=米当局筋 | ロイター ⬅️🔗クリックで遷移。5/19 ニュース追加

5/19(金) G7広島サミットが始まった。ウクライナ🇺🇦ゼレンスキー大統領が来日して参加する。

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☝️日本経済新聞(5/20/2023) から

 今回は、堅いテーマです。

『経済安全保障』と『多国間通商』、少し乱暴だがより短い言葉で言い換えると、『STC』* と『FTA』** という国際政治経済の2大モーメンタムに関する日本の著名な識者の論考2点を読み比べた感想文です。

* Security Trade Control  安全保障貿易管理

** Free Trade Agreement ( EPA : Economic Partnership Agreement )  自由貿易協定 / 経済連携協定

 以前の一時期に外務省職員となって、FTA (日EU協定) の政府間交渉に参画した知り合いの若手新進気鋭の弁護士 Mr.H が、”国際取引学会”FTA関連発表をする機会がありました。場所的は学会ということでアカデミックな発表に相応しい早稲田大学政治経済学部早稲田キャンパス内、その立派な高層建築の校舎ビル内教室での聴講となり、私は〈本キャン〉に出向いたもので、その外出自体を楽しみました。

 この時、彼の論文発表のコメンテーターがこの分野で著名な川瀬教授でした。そんなわけで、前に務めたGLOBAL TRADE関係の会社で同僚からその名を聞いていた高名だというその先生がお若いことに少なからず驚きました。

 2022/2/24のウクライナ軍事侵攻以降、特に世界の注目が集中している感のある対ロシア (とその制裁)、そこからの副次的な影響の産物とも言える "台湾海峡問題"。そして北朝鮮のミサイル問題など。アメリカ・バイデン政権が進める安全保障管理(STC)に重点を置いた政治外交、経済安保面での政策の動きが活発なことはご案内の通りです。

そして今週はG7広島サミットがあります。

これら油断ならない緊迫の世界情勢の関係で

5/1付け日本経済新聞に掲載された論考 :
  経済ブロック化の行方(下) 
  『多国間通商、経済安保に寄与』
 (川瀬剛志・上智大学教授)
が目に付き、大いに興味を惹かれて読んでみました。

※その全文は以下リンク🔗で読めるものと思います。

https://www.evernote.com/shard/s36/sh/c974bc56-24c9-1b0a-d953-e30a44c471de/86WOeQZtb2oQBrOpu5QXUs1JHCbVMTVHbwr2yNKb-GfWLnv4fVlHUCCncA

✳️川瀬教授の寄稿内容から私がポイントと考える2つの方向性を、以下抜粋して少し考えてみます。

(引用-1)

日本も経済安全保障の重要性は否定し難いが、そのあり方には注意を要する。(中略)日本は中国、ロシア、北朝鮮といった潜在的な安全保障上の脅威に囲まれた地政学的環境に加え、資源や食料を海外に依存する「安全保障の赤字国」だ。

日本にとっては、多様な代替の調達先や海外市場を確保できる点で、開放的な多国間通商体制の維持を基本とすることが経済安全保障に資する。

(引用-2)

フレンドショアリングやリショアリング(国内回帰)への過度な傾倒は日本の「正解」ではない。これらはサプライチェーン多角化し、高すぎる対中依存を下げるリスク分散の手段であって、やはり軸足は多角的な自由貿易体制に置くことになる。

資源、技術、市場などを自国内で賄え、隣接する友好国のカナダ・メキシコにサプライチェーンを展開できる「安全保障の黒字国」の米国とは決定的に利害が異なる。

(引用、ここまで)

以上2つの論点は現在のわれわれに非常に重要な示唆を与えていると思います。それは、

✴️ まさに国際政治と外交のリスクマネジメントたる

  • 『経済安全保障』〈STC〉の政策立案とその強化推進、

それと並んで

  • 『開放的な多国間通商体制』〈メガFTA体制とそれを日本を主体として見直した時の"EPA" 〉の維持並びに今後の深耕

というふたつの大きなモーメンタムです。

相矛盾しかねない二項対立的で困難なこの2つの issue こそ、現代政治経済の二大課題なのだと思います。

✴️ 2つの政治課題の政策立案並びにその実行をバランスよく、あるいはまたどちらか片方に "偏重しない程度に" うまく両立させるべき大きな命題 (mission) の真っ只中にわれわれと現政権はいる。それが今なのだと思う。

  • このことが2023年にG7広島サミットの議長国である岸田政権、現ニッポンの大きな課題。安定的かつ継続的な民主主義と平和を維持する目標である、と考える。

その視点から延長してもう少し考えてみる。

  1. 安倍政権による友好国への積極的な提言により複数の民主主義国家群の支持を概ね得たと言える『インド太平洋の安全保障』は不可欠かつ必須の外交的戦略 ▶︎ 世界の平和を維持継続するために引き続き日本が同盟国や友好国とともに進めるべき方向だと思う。その一方で、
  2. 日本がここまで主体的に世界をリードしながら進めてきた “メガFTA” としての日EU・TPPなどによる自由貿易体制をさらに一段と進めること。

▶︎その果実として刈り取るべきは、日本が必要な資源や物資を海外調達するサプライチェーンの多様性と安定的なシーレーンなど確保の道を文字通り 「堅守すること」は、日本国家、特にニッポン経済界にとって死活的に重要なものでしょう。

▲▼

ところで川瀬教授の論考を読んだ後に、次の解説を読んでみると全体像がより分かりやすく理解できるものと思う。紹介したい。

2023/05/01 No.112

交渉が進展するIPEF(インド太平洋経済枠組み)~国境を越えた個人情報やデータローカライゼーションのルール化に新たな動き~

一般財団法人国際貿易投資研究所(ITI)

著者: 高橋俊樹(一財)国際貿易投資研究所 研究主幹

🔗 https://iti.or.jp/column/112

この解説を、川瀬剛志・上智大学教授 の、
“多国間通商、経済安保に寄与” 論考と併せて読むと2022年以降の最新の国際政治外交 と経済安全保障の日本の課題が何か がよく理解できる。
#通商 #外交 #FTA #EPA #IPEF #経済安全保障

米国は、新型コロナウイルス感染症の拡大や米中対立の激化を背景に、経済安全保障を目的として価値観を共有する友好国などに限定したサプライチェーンの形成を目指すようになった。この考え方は、「フレンド・ショアリング(friend-shoring)」と呼ばれ、バイデン大統領はその一環としてIPEFを立ちあげるに至った。

To add some more updates here : 

G7欠席はあり得ないと思っていたが、途中でこの件に対応し議長国日本に任せて後ろに引いていた。

日本とNATO諸国がそれだけ存在感を高め、世界の警察ではなくなった米国は国政、軍事、経済安全保障にリソースシフトを加速していく。#Gゼロ

“bipartisan” 学校の英語教育だけではお目にかからない言葉。🔗Twitterから

https://twitter.com/potus/status/1662952595659390976?s=46

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☝️日本経済新聞(5/20/2023) から

↓↓Reutersニュースを掲載したTwitterからその画像ごと引用しています。

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五年後、十年後の世界と地球はどうなっているだろうか。子どもたち、子孫のためにも大人たちは責任を持って社会、国、地球を守らなければいけない。