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国家にモラルはあるか?

Dr. Joseph S.Nye   "Do Morals Matter ? "
出典) 国家にモラルはあるか? からの抜粋。
#DoMoralsMatter
#倫理 #道徳 #判断基準 #外交

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(出典)Do Morals Matter ?
私がここで提示したいのは、1945年以降、アメリカ合衆国が世界最強の国家になってからの時代について、規範的思考を試みることだ。この時代は「アメリカによる平和」(パックスアメリカーナ)あるいは「リベラルな国際秩序」と呼ばれることがある。

 本書を読み進み(目次はないが)歴代大統領の3つの次元の評価が成績表で表される。

性格や主な政策決定をナイ氏は評価しており、一人一人の記述となるので比較的読みやすく、世界史上の出来事に照らす読み応えがある。

 著者のこれまでの数々の経歴そして年齢から考えて、もしかするとこれはナイ氏最後の著述になるのではないだろうか。

▼(引用)▼

よきモラルとは何かを判断するに際し、私は本書で、3つの次元による基準を提案したい。すなわち、大統領の決断の意図手段もたらした結果を比較考量するのだ。モラルある外交政策とは、意図と結果の対立ではなく、使われた手段も含めて考えなければならない。

(引用続く…)

「国際社会には、秩序を定めてくれる世界政府は存在しない。各国は自分たちでそれぞれの身を守らねばならず、国家の存亡がかかっている時、目的は手段を正当化する。倫理にかなった選択ができない状況では、倫理などと言っていられない。

哲学者が言うように、「『べき』は『できる』を含意する」 {カント哲学の原理で、「やるべき」とされることは、「できる」ことが前提になる}  のだ。」
この論理によれば、倫理と外交政策を組み合わせるのは、カテゴリーの誤りであり、(中略)

この考え方に従えば大統領の外交政策を判断する際には、それが有効だったかを問うべきであり道徳的だったかを問うべきではないと言うことになる。
(中略)
重要な問題は、各国のリーダーが、それぞれ異なる環境下で、国益にかなうかどうかをどうやって定義して選び、追求するのかだろう。さらに言えば、

我々アメリカ人は好むと好まざるとにかかわらず、大統領と外交政策を、常にモラルに照らして判断してきた。(中略)
原油を確保し、軍需品を売り込み、地域の安定を図るのも国益だが、諸外国に魅力的な価値や原則を訴えるのも国益にかなうはずだ。では、両者をいかにして結合させれば良いのか。

🔻追記事項 : 2022/1/28 (金) 🔻

モラルを失った国は(内戦)が起きるリスクが高まっているだろうか、この論考が大変気になる。米国社会の劣化は目に余るものがある。