Andy.S の雑記帳 (andy-e49er)

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半導体市場、総合電機の現在・過去・未来

 米中の貿易摩擦、実質的なテクノロジー安全保障の中核である半導体産業で、米国生産調達を確保するため重要となる次の一手が発表された。3/25 日経新聞の報道から👇

半導体復権へ始動 

インテル、背水の2兆円新工場:

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN243FH0U1A320C2000000

アリゾナ州新工場の建設を発表、2024年稼働、パソコン向けCPUなど回路線幅が7㌨㍍の先端半導体生産

(私の戯れ言)👉もしも…カリフォルニア州ローズビルのあの一貫生産工場を売却撤退せずに、あのまま当時のNECが保持していたら…間違いなく現在のルネサス・エレクトロニクス一大拠点になっていた。

超長期の経営視点や「大リスク逆張りの経営の英断」勇気が欠けていた日本の半導体大手の経営判断のことは、全く残念でならない。

以前の追加は下記👇

🔗

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO67590220S0A221C2M11300

12/17 日本経済新聞13面記事

「電子機器、初の3兆ドル超」来年の世界生産予想 通信など牽引→3兆ドルを超えるのは初めて。新型コロナ禍などで、在宅勤務が増え、リモート会議の利用などが普及定着したことでPC需要の増加に加え、世界的なデータ量増加によるデータセンター向け半導体の需要が拡大している。電子情報技術産業協会 : JEITA)発表から。

12/12 さらに売却🔻

12/10 追加🔻

かつての総合電機の旗艦・日立製作所はどう変わって行くか。その姿を見た(→本稿末尾のTwitter発信へ)

12/8 追加🔻

かつて私は80年代後期に、カリフォルニア州に建てた日本の半導体現地生産工場に5年半勤務した。その間には、ウェファーFabの前工程から組立検査選別の後工程まで全ての設備と資材を見てきた。256K DRAM のメモリ製品から、マイコン製品までの生産を日米で行った。

組立外注は、シンガポールスコットランドアイルランドを使っていたので、半製品まで仕上げた5インチサイズのウェファを海外へ送り、組立完成後にバイバックしていた。

半導体事業のキーファクターは4つある。

  • #素材 (最もメインな素材は、シリコンウェハーなどだが、他にも各種の化学品や薬品、金銭やパッケージを形作る樹脂の風子材料など様々なものが必要だ。)
  • #生産設備 (シリコンウェハー上にカイロを焼き付けるための露光装置から始まりスパッタリングやダイシングなど、その製造プロセスが大変多岐にわたり、いずれも非常に高度な微細加工テクノロジーを要する。なので半導体製造設備は様々な種類がある。)、
  • #生産技術、そして
  • #設計開発。  この4つである。

 今日の日経新聞に出ていたけれど、確かにこの4つの重要なファクターなことは間違いない。シリコンウェハーの台湾メーカーがM&Aの合併により新たに世界第2位に浮上する、と言う記事が出ていた。現場では世界の1位と2位は日本メーカーだがこれで台湾メーカーがその間に割って入ることになる。これが素材。

 日本は半導体製造装置の分野では今のところまだ強みがある。しかし一方で生産技術については、多くの大手メーカーが事業から撤退したことから現在は台湾や韓国と中国に生産の地位を譲った格好になってしまっている。

 半導体の回路の設計や製品の開発自体は、一部は軍産複合体でもある米国半導体業界にまだまだ一日の長がある。

 中国・台湾・韓国・日本そして米国で、これらの要素4つともに強みを持つ国は1つもない。これが半導体産業の特徴だとも言えるだろう。

【現在】 半導体市場が来年世界で48兆円規模になり史上最大となる見込みだ。5G普及が追い風だ。

 かつて電機業界は多くのメーカーが半導体事業とその技術・人材を多数保有していた。

 生産技術と製造装置のテクノロジー競争との掛け算で、特にメモリ製品で世界を席巻していた80年代は、Japan as No.1 (エズラ・ボーゲル著書)と賞賛される時代だった。f:id:andy-e49er:20201219051457j:image

 しかし、その多くがのちに会社全体での業績不振に苦しみ半導体事業から撤退していった。このテーマだけで何冊もの業界の本や経営戦略の書物が書かれたことか。

・撤退は、いわゆる『ムーアの法則』により半導体の線幅ルールが微細化して製品世代交代が数年単位で起きるが、その世代でのトップ企業に利益が集中するという事業を特性がある。

・特にDRAM(メモリ)の販売価格乱高下から、デパート経営をどの電機メーカーも横並び的に行なっていた。結果的に全社業績へのインパクトが大きいことが主要因だ。

・そしてもう一つの負の要因があった。それは半導体の社内ユーザーであるコンピュータ事業や通信事業などを持つ総合電機においては、内部ユーザーとしての顧客に当たる事業部門と、半導体バイスを供給する納入者、ベンダーに当たる部署との関係になるために、どうしても社内の力学や関係が歪むということがあった。

【過去】

 多くの日本のデパート経営型大手総合電機は、相次いで半導体や液晶など微細化プロセスの精緻なデバイス事業から撤退していった。これはまさにコングロマリットデメリットだが、日本以外の電機メーカーや、半導体専業の企業は事業ドメインを上手に転換して乗り切った。DRAMという乱高下するメモリ事業から早くに脱し、ロジックICに当たるcomputingの心臓部に当たるCPU専業に転換したIntel知財戦略に特化したQualcomm、画像処理ICに専念して今や時価総額Intelを上回ったNVIDIAなどだ。

 製品の選択と絞込み(部分撤退によるデパート経営の排除)で成功した例は、実は枚挙にいとまが無い。日本勢でも生き残っている東芝(現キオクシア)やソニーロームを見ればそれがよくわかる。🔻

 総合電機業界には、社会インフラである大型・大規模の社会インフラシステムものから、微細加工技術を要する半導体や電子コンポーネントまで、さらにソフトウェアやITソリューションと言う分野もある。事業の幅が大変に大きくかつ広くて深い。

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 各事業の生産技術など必須テクノロジーの研究開発は高度な人材と技術革新、さらには多額の資金を要する。これらを下流の社会インフラシステム製品から『産業の米』と言える上流の材料技術や部品生産事業まで、総合的に保有していた日本の大手総合電機メーカー。その企業群は軒並みデパート経営になっていき、さまざまな逆風を跳ね返すことが出来ないまま、萎んでいく結果を辿ったことは、かえすがえすも残念だ。

 アメリカに追い付け追い越せで製造に特化していた昭和の時代には、メーカーとして日本の花形産業になり、"鼻高" の時期もあった。しかし90年代以降は市場の多様化やサプライチェーン改革が勃興した。("製品企画やマーケティング" と 下流に当たる "製造" の分離が進んだ。製造に特化した台湾系ファウンドリーの出現や、中国生産の拡大進展など世界の大きなうねり)

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 一方、欧米の勇者であるエリクソンノキアジーメンス、フィリップス、GEなどは、いずれも早くに事業を絞り込み、会社の稼ぎ頭を入れ替える大英断を実行してきた。重電分野や医療機器などへと、転換していった。その大きな思い切った変革を実行したことが功を奏して、今も堅調に収益を拡大している。デパート経営は、もはやあり得ない過去の遺物になっている。

🇳🇱フィリップスの最近の動きが報じられている。

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【未来】

🔻これが総合電機の次の姿だろう🔻🔗

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOFK0836D0Y0A201C2000000

☝️なるほど、「あり」だし、正しいと思う。

 結局のところ、グローバルで事業活動してリーディング企業になるには、海外で外国人材と伍していける、いゃ、リーダーとなれる日本人で経営スキルのある「人」が全ての源だ。そういう人を育てることが近道だ。テクノロジーは、金で買えるし、M&Aも使えば良いが、獲得した組織や技術を生かすも殺すもすべては上に立つ人の力だから。

→結局は「人」のレベルの問題ですね。日本は海外から見るとアイデアと突破力ある個性がまだまだ足りませんね。

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