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リーガルマインド【パートナーとガーディアン】

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信頼されるビジネス「ナビゲーター」役とは、どのような役割と機能か?令和四年2022年の夏休みの課題として、リーガルマインド【パートナーとガーディアン】について考えてみた内容を(かなり長文ですが)記録します。

 

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From LinkedIn; (個人の感想を LinkedInから転載、一部編集し、加筆し構成)今回投稿は長くて真剣なものだ。

 

【パート1】リーガルマインド

長かった会社時代の終わりの方で、振り返ってみるとさまざまな反省や悔いが残っていないと言えば、嘘でありましょう。

管理職そして上になるほど、事業を管理する✅の側面が強くなっていく。その点で日本のジェネラリスト的NDAを有する会社は、どこも概ね似ているものでしょう。

  • ✅ 組織の内部管理・内部統制や内部監査、コンプライアンス的な(リスクを測り過ちの危険性を) 諫める仕事に、数多く関わってきました。

◉この側面、企業法務的な知識やその高度なリーガルカウンシル能力を学生時代や入社間もないもっと若い時分から、意識して高め極めていたら(例えば法学修士をとるとか、ですね…。あるいは後年出来た法学大学院を終えて 『Juris Doctor (法学博士)』資格を得るとか。それらは後で知ったことです)、
私のキャリアはまた少し違った形になっていたんだろうか、己の生き方を長期視点で冷静に見つめ、考えることがあります。

貿易学の先生からも同じことを直に言われた。

◉収益事業を遂行する民間企業の内側で、事業から離れた立場の内部統制やコンプライアンスをやるか、コンプライアンスや会計監査などを提供する組織に所属するか、の違いもあるでしょう。中でやるか (Insiderか)、外からやるか (Outsiderか) の違いです。

✅どれだけ法務専門的に組織の事業ライン活動に寄り添い、インサイダーとして深入りするか/それが出来るか、の差異があると思うところです。

◉大学生の時 : いずれ社会人となって働く上でのそんな実務の経験談を先輩から聴いたり、働くということを考える。それを学んだり教えてもらう機会は当時全くありませんでした。

法律学科の人間は弁護士を目指すか公務員試験を志向する学生が多かった。頭でっかちの法律理論と学問としての法学ばかり。一種偏りのある世界でした。実践的なビジネス法務は当時の社会にはなく、そして法務系のビジネス資格が世に出るのはそれからずっと後のことです。
⇒ (そう思えば) 今あるインターンシップとか、キャリアガイダンスって本当に大切ですね。

 

🔻

ところで;経済産業省がこのような検討レポートを出していました;

【パート2】経済産業省の報告

平成30年4月 経済産業省 [概 要]
(出典:平成30年4月 経済産業省からの抜粋) ▼【ポイント】▼
 法的課題に対する企業のマネジメントの発想の転換 (法務機能の有効活用)
 法務機能を発揮するための組織・オペレーションの整備 (GC・CLOの設置等)
※GC: General Counsel、CLO:Chief Legal Officer → 最高法務責任者
 新たな法務機能を実現する法務人材の育成、活用

「法務機能強化が求められる背景」経済産業省|国際競争力強化に向けた日本企業の 法務機能の在り方研究会報告書について 平成30年4月 から抜粋

それに加えると、つい昨日の新聞報道から、関係する大手企業経営層 (ゼネラルカウンシルやCLO・最高法務責任者) インタビューも見ました。最新の企業経営法務の見方・方向性を知りました。
【記事の見出し】企業経営に法務の新風「法令順守にとどまらず判断」

出所:2022/8/15 日本経済新聞 スリーエムジャパン社長、パナソニックHDの法務トップインタビュー
 [有料会員限定]

ゼネラル・カウンセル(GC、法務担当トップ)や最高法務責任者(CLO)などの役職で、法務の専門家が経営陣に加わる例が目立ち始めた。各国の法令だけでなく人権順守やサプライチェーンの管理など様々なルールを踏まえた経営課題の重みも増す。日本や米国の弁護士資格を持ちつつ経営に携わる2人に、法務の視点を生かす利点や課題を聞いた。

法務機能に限界なし
曰く、

  1. 法務は事業を推進するためのパートナーであり、一方で
  2. 企業をリスクや問題から守るガーディアンでもある

二つの側面が骨格として語られていました。

私的には経験則としてサプライチェーンの管理など様々なルールを踏まえた経営課題の重み』が響きます。

これを調べていたら、既に(上述した)経済産業省により、国の審議会の成果として公的資料が世に出ていたことが分かったのです;
それが下記
:(出典:平成30年4月 経済産業省からの抜粋) 

法務機能とは何か
 企業における法務機能とは、法令その他社会的規範の下で、事業活動が、適法かつ適切に行われ、企業が健全かつ持続的に成長するよう、法的支援を行うことである。


 法務関連業務は、社会・経済情勢が大きく変化する中で、従来からの業務
(ex.契約審査、法律相談、訴訟対応)は拡大傾向にある。


ビジネスのパートナーとしての機能
企業価値を最大化する観点から、法的支援を経営や他部門に提供することによって、会社の事業や業務執行を適正、円滑、戦略的かつ効率的に実施できるようにする機能。


企業のガーディアンとしての機能
企業価値を守る観点から、法的リスク管理のために経営や他部門の意思決定に関与して、事業や業務執行の内容に変更を加え、場合によっては意思決定を中止・延期させるなどによって、会社の権利や財産、評判などを守る機能。


要するに・・・
企業が健全かつ持続的な成長を実現するための法的支援を担う法務部門は企業価値の向上のためのビジネスの「ナビゲーター」役である。

…ということ。(平成30年4月 経済産業省 公表資料<上述>から) 

 

【パート3】本質の判断と経験知(エピソード)

ここで、付け加えておきたいこと。それは、

  1. 法律・法令のみならずそれらにより規定されている "規制や手続き" を正しく実行することが、企業の事業活動において不可欠かつ重要であること。
  2. サプライチェーンの管理など様々なルールを踏まえた経営課題』があること。それらへの解、助言は重要不可欠な事業の要点要所である、ということです。

🔻ひとつ、途中でコメントを入れましょう🔻

本質論のエピソードになるかどうか(昔々…)

👇ここから先は昔話。経験則からの語り。 必要なら最後まで飛ばし読みしてください。

✳️ 201X年頃。それまで資材調達を長く担当した私が経営管理領域に幅を広げた数年後のことです。

・一管理職としてある企業の自部門組織内で提唱し立ち上げた「契約推進」の小グループ活動をしていました。これは私が取引先との渉外や契約交渉の実践経験から直感的に悟ったニーズでした。組織の中で自分の役割の一つの目途としていました。

・先の経済産業省の提言と全く同一の本質でした。現場でやってきたことの正しさを再確認できました。後年、国の「国際競争力強化に向けた日本企業の 法務機能の在り方研究会」において有識者から公式の確認があり、公的な提言がなされたことで安堵の気持ちもあります。
⇒ 提唱は正解だったと納得

 

この活動には少しリアルなエピソードがあるので、自ら書いてみます。

事業遂行ではさまざまな 海外のステークホルダー との 国際取引 そしてその交渉ごと が必要だ。事業ユニット内に複数ある製品ごとの事業部(事業ライン)で各製品責任者(しかも主に彼らは技術者である)が個々バラバラに対外的な契約交渉に都度即興で対応していた、という現状があった。またそれが大変だという生の声も多く聞いていた。

現状を改善する方策。集中的に契約法務、取引交渉を支援する組織内機能新設の案(但し数名の少人数専任者)を提案。

直属上司とともにトップに諮り事前同意も得た。その上で公式の経営会議の議題に上げ討議をお願いした。当時その組織の月一回の最高会議に上程した。結果は…、

ある執行役員の(特定個人の人事異動を理由とする反対)があり成就しなかった。そんな苦い経験がある。後日、別の役員に話したところ「事前に自分のところに相談があれば、案に賛同して支援もしたに…」と言われた。"後の祭り"  自分の外堀の埋め方を反省した。「社内政治に長けていなかった」新規提案のデザインはよかったが、合議体にかける詰めが甘かったと反省する。

あの時のことはリアルに脳裏に浮かんできます。

その後、海外関係先との各種取引事案のリスクマネジメント視点の条件審査やその交渉は各製品ごとに担当の技術者が行うままで、何も変わらず。

交渉や契約策定で途中プロセスとしてAd-Hoc な対応をする技術者。彼らは専門外の余計な?労苦を抱えたまま…。

組織としては、これら個々の対外交渉を水平展開して、know-how共有や昇華することも出来ない…。

そんな状態であるのかもはや知るすべもありません。
この稿を推敲して思い出し、そこが気にかかった。

いま読書中の書物から、少し考えてみます。

▶︎法律は「正しい・正しくない」観点で仕分け
▶︎道徳は「善・悪」の視点で語られる。
▶︎美学は「美・醜」の視点で語られる。そして
▶︎政治の観点は「友愛」と「敵対」である。
政治は様々な争い(敵対)や同盟(支持)によって論争して行く。目的は国家運営や安全保障だ。

では会社という生き物ではどうなるのか?

✴️ 企業という一つの組織内で、事業運営の方法の良し悪しを審議する時、その真偽や議論の目的(パーパスやミッション)は何か。それは…▶︎ 事業がうまく行き収益を上げられることに役立つか(その事業が社会に役立つか)の視点で考え、決めて、決断を断行すること、にある。

ときの目標(ターゲット)は、検討課題に対する方策を是とするか・否とするかである。つまり、経営・マネジメント・事業運営とは ; 

▶︎「効率・効果」と「非効率・無益無駄」の観点による、不断の連続的な "仕分け〜判断" そして実行。その評価や反省から次の段階での更なる不断の改善・改良、などである。

そのとき評価や判断には、必ず評価者の 分担事項の『権限』や人となりの『影響力』などが密接に絡んでくる。組織内の立場や肩書きと共にある権限や発言する力、他者へ影響を及ぼす力が、組織の中では明らかな政治作用を為すことがある。

『声の大きいほうが勝つ』世界 がある…ということ。「力こそ正義なり」でしょうか。それこそがこの稿で真剣に考える本質 : リーガルマインドが目指す「正しいか・正しくないか」のルールからの判断と対極であり、 "力による圧倒や圧政" とも思える。

 

【パート4】あるべき姿

➡️ 法務担当者、否、法務部門の枠にとらわれない (正しい "事業執行者" ) 良きリーダーたるならば、適切な事実と言う材料を正しく判断、調理することを求められる。

法令や社会の規範からだけでなく、上位にある企業目的やブランド、レピュテーション、さらに事業収益性・成長性・将来性。運営(オペレーション)の適正さやサプライチェーンを含め事業取引の先々で働く人たちの適正労働までも含めた判断であるべきでしょう。事案のTPOを考え、複雑高度な判断因子が何であるか瞬時に見抜いての取捨選択。総合思料した上「正しいか・正しくないか」を判断することが求められる。これが最も大切な、"経営者の在り方" でしょう。

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少し弁明を加えておきます。

もちろん会社の法務部は存在していました。
後年、法務部長が Chief Legal Officer や Compliance 推進責任者に公式にタイトルとともに命名されました。このことから、この会社の経営トップレベル・本社法務部として適切な対応をとっていたと思えることを付記しておきます。

当時私の提案の『肝』は何か?再確認しておく

➡️ 本社法務部へ事案を上げて契約(書)や条件云々をコストと時間をかけてアウトサイダー的視点も交えて中立に評価対応する以前に、組織内で叩けるレベルの対外取引事案であれば、内部で専任者が機動的かつ迅速に対応するもの。
➡️ 専任者が一定条件のグローバル契約事案を必ず一度相談を受ける。契約起草前の早い段階から事業(条件)内部に入り(パートナーとして)リーガルチェック・コンプライアンス✔を行う。

➡️ 目的は事業活動を前へと手早く進めていくこと。その少人数・精鋭部隊を新たに作る。
彼らがスピード重視で、取捨選択し必要な事案だけを付加価値を付け法務部に上げる。審査、支援の2段階事業支援案のデザインであった。

<番外の声>
日本の会社と言うものは、「なくてもなんとかなるだろう」で斬新なことを取り入れず
保守的になる瞬間がまだまだ少なくない、ということ。 しかし、所詮あの (先進の?)
イデアを一執行役員がひとりで反対し声高に却下までを叫ぶ。それに対し誰も賛成や支援の意思を表明することもない。そんな組織であったと思うのだ。あれから一昔10年が経った。この際、こうして
未来の誰かの、何かの参考にでもなればよいかも!、と、静かに丁寧にしたため、吐露しておこう。

最後に。自らの課題・命題として宣言👇

企業価値向上のため、信頼されるビジネス「ナビゲーター」役となるよう、今後もこの意識と目標を高く掲げて、日々歩んでいく。