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世界企業グローバル生産の行方と国家覇権

👉2/20 BSフジ・プライムニュースLive中。テーマは中国リスクにどう対応するか。
甘利さんは経産大臣経験があり、またTPP交渉の主体・責任者。日本産業の話と対中、対米の政治判断をきちんと兼ね備えている。さすがである。国家としての安全保障貿易管理と、産業界の事業において貿易振興の重要性、経済連携協定自由主義対統制主義経済体制の闘いなど総合的な知見で討論。

👉サプライヤーマップの整備および海外生産やそのための海外サプライヤーの評価・採用と、今回のCOVID-19対応としての事業リスク分散のためのBCP ( Business Continuity Program) は、海外生産における二軸の要素、つまり車の両輪です。

この両輪にインシデントの発生(国・地域)とを掛け合わせると、3次元方程式のような複雑な要素の経営判断になります。そしてそこに更にEPA/FTAによる部品輸入時の関税譲許機会と言うコスト要素も考え合わせると更に複雑化します。車で言う4輪駆動とはちょっと違いますが、かなり複雑な判断のための要素が絡み合う経営状況が出現します。

👉製造業で最も重要なのは、顧客のいる市場と言うことがあるでしょう。生産している国や地域からそこへアクセスする距離感による物流コストや国際物流リスクの問題なども含め、以上挙げてきた各要素の総合判断が必要でしょう。

自動車メーカーを考えるとアメリカ、中国、日本という大きな市場への距離感(物流コスト)も含めて現地生産と部品サプライの戦略と実行計画があり、複雑な方程式になっている事は間違いないと思います。いまの自動車メーカーは、それぞれの生産やサプライチェーンに差異はありますが、どこもそれぞれ考えて経営していると思います。ですからあとは、インシデント発生時にどれだけ、コンティンジェンシーや対策に短期間で振り切れるかの実行力になるでしょう。チャイナプラスワン、と言うことが数年前から言われています。先頭を走っているのは、ベトナムではないかと思っています。日本の製造業の中でもグローバル展開が進んでいる自動車産業生自動車部品業界を中心にそのための製造機械業界や金属材料の企業等の素材産業は、当面、アジア諸国の中でのサプライチェーンと生産場所を、 

コンティンジェンシープランを交えたバックアップ体制も含めて維持改善していくと思われます。

 

👉続いて、テレビ番組では半導体プロセスと主な技術優位国のフリップが出て、一般には知られていない製造工程とその技術覇権につき、細川昌彦中部大学教授(元経産官僚)が安全保障貿易管理の視点で解説。これらはエレクトロニクス、半導体メーカーなどの人間は当然よく熟知しているところです。この議論は結局行き着くところは、国家の安全保障問題であり、覇権の議論に行き着く。米中の覇権争い、と言うことです。

👉話は突然変わりますが関連する所として、ここでJoseph Nye氏の見方を紹介しておきます。出所は

「アジアの世紀は来るか」創論- 日本経済新聞 2020/2/20 朝刊 6面掲載のコラム記事から。

Joseph Nye 米ハーバード大特別功労教授のインタビュー記事『米国の優位なお揺るがず』の論は実に明快で正鵠を得ており、全くもって同意できる内容だと思って読みました。透徹した現実論に立脚しています。クリントン政権で国防次官補、そして国務次官補も務めた米国国際政治の重鎮にして論客の説はいつも秀逸‬で感心している。以下はナイ教授の要点です。👇

💮経済面ではアジアに将来性があるが、グローバルなパワーバランスを見る限り、「世界の将来はアジアにあり」とは言えないとナイ氏は言う。ポイントは価値観で、日本やインドの民主主義と、中国のような専制主義が併存する。交わったり統一される事は無いと言うことです。アジアと西洋というより、民主主義と専制主義という線引きをする方が良い。域内でも力の駆け引きがある…中国は権力の一つの極だが、日本やインド、ベトナムもその極に支配されたいと思っていない、と言うような主張でした。

👉アセアン10カ国、中国.韓国.台湾.そして日本、もう少し拡大するとRCEPと呼ばれている豪州やニュージーランド、そしてインドも含めると、太平洋とインド洋に面しているこれらの国々では、現在の複雑なパワーバランスが当分の間このまま続いていくと考えられます。これらを変える可能性がある要因としては、近々行われる韓国の国会議員選挙と現大統領政権の行方、アメリカ合衆国大統領選挙の結果、それとともに日本の次政権の舵取りなど。さらにはアメリカ合衆国EUもしくはNATO諸国との政策の違い、Brexit 後の英国の方向性など、世界の主要国の方向性と政権によるリードが、複雑な方程式として関わってくるのではないだろうかと思っています。