エリア51

明るく気楽な気持ちで、コンピュータおたくの成長を紡ぐものがたりとして読める「グーグル」から一転、今度は【「エリア51」（世界でもっとも有名な秘密基地の真実）アニー・ジェイコブソン著、2012-4-17 】を読み始めた。
21章500ページを超えるこの大書。冒頭はネバダ州の空軍基地の横に隣接する秘密基地の概要、その端緒の描写などからはいるのだが、その知られざる真実を解き明かすにはある意味タブーである、米国の原子爆弾開発から紐解くことになる。
H.G.ウェルズの有名な「宇宙戦争」をラジオ放映して1938年ハロウィン前日、パニックを引き起こしたあの大事件から、ビキニ環礁における1946年の原爆実験へと。これら原子力開発の話がエリア51と言う、未だアメリカ政府がその存在すらを一切認めない基地の歴史的発端だと知ることになる。ある意味、世界の、人類全ての命運を握る奥深い驚愕の史実に触れるとともに、その後のアメリカの「世界制服すらしかねない、圧倒的な米ソ冷戦時代の熾烈な兵器と軍事の研究開発製造」の、大統領にすら秘匿された恐るべき実体を知ることとなり、心底愕然とする…　この一冊は、科学と科学者に対する認識を根底から揺さぶる内容であり、人類の尊厳と、神と科学の接点を深く考えさせるものだ。