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【本】『古書の来歴』


 原文題名:" People's book ", by Geraldine Brooks (著者:ジェラルディン・ブルック)彼女はオーストラリア産まれのジャーナリスト出身でサラエボ取材など第一線の経験を持っておりその経験から書かれた第3作目。内容は実在の書物の存在に触発されたフィクションではあるが、物語のストーリー仕立てがよく練られており、例えばダヴィンチコードのように映画化したら面白そう!という仕上がりだ。彼女は今、マサチューセッツの島(マーサズヴァインヤード)にご主人、一人息子とともに住む、というくだりも個人的にBoston在住経験者として気に入った。
この本の評価:◎×2/1894年サラエボオーストリア・ハンガリー帝国)で困窮したユダヤ人一家が売りに出し、その存在を知られるに至った、ユダヤ過ぎ越しの祭でユダヤ人家庭で使われるハガダー(※注、下記)に着想を得た、ヒストリカルミステリーフィクション。
 宗教や民族対立の迫害の中で、辛く悲惨な人生でもわずかな希望を抱く、人の心の強さを描いている ・・・ 今までに読んだ外国文学(小説)の中で、思うにもっとも西欧の宗教対立・文化相違・民族迫害、そしてナチスドイツの戦争犯罪まで浮き彫りにしていると感じた。フィクションではあるが当時の情勢を読み取れて知的好奇心を満たしてくれた。つまりは平板な歴史教科書より、よほど当時の様子が読み取れる、そのような一冊。
 暗く凄惨な暴力シーンの描写も多くある。がそれらは比較的簡潔なので(ジャーナリストの筆致を感じさせる)、そこは一気に読み、通り過ぎることで、物語のストーリー仕立てを大づかみすると、時代背景をより身近に理解・把握出来る。
 このような読み方ができるのは対象となるものがたりの(フィクションなのだが)完成度によるだろう。流石は一線でサラエボ取材などを経験しているジャーナリスト出身。ましてやこの本はピューリッツアー賞の受賞に輝いているのだ(必見)。その意味でも本書の評価が欧米で特に高い、日本では第1作や第2作よりも先に翻訳出版されたことは納得。読んで満足できる一冊。(強いて難点を挙げれば、外国人の登場人物の名前を一覧でチェックしないと話がつながらない・・・外国小説でよく感じることくらいか) 

(※)ハガダー:500年前の書物。実在する美しい細密画が描かれたヘブライ語の本。羊皮紙に羽ペンや骨ペンで手書きの細密画を描いている(手作り) ユダヤ過ぎ越しの祭でユダヤ一家が自家用祈りに使うものらしい。このハガダーを博物館の学術員が調べる過程で、過去の遺物やシミなどがページに見出されて科学捜査+想像でこの書物を作った人々の当時の情況やその土地が、そして当時の歴史的な情勢までがリアルに描かれる。

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What's up Dock !? I'm@KSP
[しあわせ編] 朝4時半、目が覚める。まだ朝刊すら配達されてない。この時期、早い朝、特に晴天の日は小鳥のさえずりが耳に届く。家のすぐそばにある木立。ケヤキの大木も立っていて鳥の住処が近いということか。特別な私だけの目覚ましでやがて意識が覚醒してくる。昨夜『古書の来歴』(People of the book)を読んでいるうち、とても眠くなってしまい、それでとても早く眠りについたためか、もうこれ以上、眠れそうもなかった。
 このように目が覚めるときはまるで海外出張時のホテルの朝。体は休んでいたい!というのに、意識は駄々っ子のようにますます覚醒してくる。眠くないがやや時差ぼけ、に近い。たいてい目をつぶったまま、いろいろ思い出したり、あれこれ考えが駆け巡る。脳の細密血管に血流に乗って酸素が行き渡る。こういうときは人の一生、生きる意味などを布団の中でなぜかやたらに思い煩う。なぜだかはわからない。性質ということにしよう。そうこう考えているうち、悩ましく考えるのも苦しくなりついには起き上がってしまう。やがてコーヒーを入れ、ナビスコにクリームチーズをつける頃には、懐かしかったアメリカ生活を思い出してる。Homesickってやつか。

 外気をかいでみる、懐かしいシリコンバレーベイエリアの朝を思い出す。わずかばかり湿度が交じり合うさわやかな朝の空気は綺麗だ。鼻腔を通り肺に到達。アメリカ生活時代を思い出す。Durshire Way Sunnyvale。今はここ田都多摩川エリア。南西角部屋、両窓から木立が見える。季節は新緑のさかり。緑がとても眩しい。この時季、早起きは得。特に今日のような好天の早朝なら・・・などと思いをめぐらせているうち、気づくともう6時だ。貴重な朝はごく短い。長く続いた低温低日照が終わり、気温も高くすっかりさわやか空の初夏になった。

世田谷・駒沢の招き猫(「細目ちゃん」)
[ポタリング4月30日飯田橋東京理科大学校舎を右、法政大学校舎を左、やや古ぼけた木造っぽい飯田橋西口駅舎から初めて眺めた。神楽坂、初めて歩く。往来には多くの人々が行き来。連休入り口で平日のためか昼食で入ってみた店には学生らしきグループも。夜は酒を飲ますその坂の途中にある日本飯屋。ランチ時900円から1,000円で大きな盆に乗せた白米または五穀米といくつか小鉢付きの食事を出す。初鰹のランチ。旨い。けんちん汁風味噌汁は具沢山。前の日の酒の肴の残り物を使えばコストを抑えてボリューム感たっぷりに仕上げるのはプロなら難しくはない。アイデア商売だナ。新米の店員を仕込むのか、時折、店主らしき男が大きな声でしかりつけて命じるのが聞えてくる。きょうびこのような風情が残るカグラザカ。伝統ニッポンおおむね快適、長居した。日本の休日もこれはまた大変正統でよろしい。
ノスタルジーではないが、夏休みには Japan as No.1 と言われていた文字通り世界一位のものづくりの最先端、最前線で働き、23年前、暮らしていた Sacramento や Roseville など、北カリフォルニアの地へ行きたい気がした。

Photo by Andy-e49er / Durshire, Sunnyvale 近くの、Ortega Park and Stocklemeier School
カリフォルニア州 州都サクラメントについてのいろいろhttp://d.hatena.ne.jp/andy-e49er/searchdiary?word=%a5%b5%a5%af%a5%e9%a5%e1%a5%f3%a5%c8

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