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恥辱

 2度のブッカー賞受賞に輝く、J.M.Coetzee (クッツエーと読むのかぁ。南アの大学教授なのだ)作の "Disgrace" (邦題:恥辱) 前に読んだ、Kazuo Ishiguro の Never let me go(私を離さないで)と、なんとなくトーンが似ているような。内容は違えども。翻訳の雰囲気のせい?言葉遣いのせい?なのじゃろか。ともかく2日で読みきる。
 表紙裏掲載のアラスジによれば「52歳大学教授が云々かんぬん」・・・となっている。著者自身のごま塩頭・細身の顔写真がまんま出ていてなんとなく「雑誌のゴシップみたさ」を覚える装丁。なんとなく身につまされた、または興味本位も手伝って借りたわけだが。。
 南アフリカの貧困や人種問題、農地問題などの国情を背景に、白人親子がそれぞれ犯罪に巻き込まれてしまうが、決して投げ出さず力強く生きていく処し方を描いている。だがそれは社会的背景(環境・国情)のなせる業でもあり。人生後半を一見棒に振る「インテリ親父」 自身の恥辱と娘のそれのダブルIssuesものがたり。だが、それは悲劇でなく、惨劇ではありえず(社会的背景から)、日常そういうことがありうるのねぇ?ここではサァ・・・という風な静かな穏やかな「おののき」を呼ぶとでも表現できそうな、スリルやサスペンスでない文学的な穏当さ、なのだが。やはり邦題どおり「恥辱」のハナシではあるのだが・・・。一体ナニそれ?って思いません?
 そういやぁ最近、日本国の中では恥辱って言うコトバちっとも聞きませんよね。死語? 痴漢は犯罪ですポスターばかりが目立つニッポンではある。