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世界シェア95%の男たち

・心に留まった、標準化とは「技術規格標準化」ではなく、共用化・寡占化による世界市場占有の事業戦略である、というある人の理論が大変気になっている今日この頃。そのようなさなかにちょうど2008年11月11日第1刷発行の本が目に留まりました。
[http://www.sony.co.jp/SonyInfo/technology/interview/sp01_02.html:title=*国際標準化についてはこちらを参照]
「世界シェア95%の男たち」(荒井真成著)1999年NASDAQでStock of the Year賞を受賞した、赤外線Syncro機能ソフトウエアのPuma Technology 社の起業から成功へのものがたりをとても楽しく、次を楽しみにしながらいま読んでいます。中で強烈なところだけ語ると・・・株価が1999年初の27倍に急騰し、年明け2000年2月には130ドルを超えて更に上昇、3月下旬には一株を二株に分割するSprit(株式分割)を行ったそうです。また買収した会社からすると当時は、ネット企業の会員数一人$100辺りが企業買収時の価値なんて基準も語られていてなかなか分かりやすい。
300万人だと$300Mということ)今思えばネットバブルがはじける直前のまことに景気の良い話ですが。。。
・実はそんなことよりもこの本の中にこそ、技術の標準化で赤外線通信の世界業界団体の役員を務めつつ勤務した日本IBMの当時の花形であったThinkpad部門を希望退職してアメリカのシリコンバレーで起業し、世界95%シェアを取った荒井氏の足跡と彼の人生が淡々と追っていける(追体験できる)のでそっちのことが重要だと思います。奇をてらわず、偉ぶらずに、ごく素直な一人の若き起業家のものがたりとして、経験談として。自然に読める良い内容に仕上がっています。私にはできない/なれない「技術者」ですが、本当にうらやましい事業成功体験です。個人的には、この本に登場するHandspringとか Palm Pilot とか、当時の懐かしいPDA事業ベンチャー。読んでいて当時の「復習」のような不思議な感覚にもなれる本、です。
・1990年代後半から2000年台前半当時の各社携帯事業部門の個人名なども登場、DoCoMoの役員とのコラボの様子とか、携帯ビジネスで多彩な人脈も語られています。それらが淡々と短いエピソードの時系列つながりとして順々に語られます。本の中ではさりげなく売り込み手法や会社経営での経費削減の話、交渉の様子なども出てきます。事業で成功するとはこういうことなのかと構えずに誰でも自然に習うことが出来る、そんな過去のよき起業成功体験話になっています。「まぁ、小規模のスタートアップだから(できるん)だよねぇ、」などと片付けることはいとも簡単なのですが、このようなベンチャー精神があってこその Innovation だと思う次第です。
・重要なことはこの世界同時不況のさなかに(リスクテイキング)、元気な製品を世の中に出してスタンダードとなり(製品戦略と基盤技術)、市場や業界での仲間作りを上手にやって(アライアンス)、成長戦略を描き実際に波に乗れるか(経営実行力)、それらが核心と本質なのです。

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