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農林水産物・食品の輸出促進(農林水産省)

6/3 日本関税協会の貿易実務研究会(月例勉強会)に参加しました。

 農林水産省の輸出促進課長補佐氏から日本の農水産物輸出に係るデータと共に国の輸出促進政策やビジネスの実態例などを含む、非常に詳細な資料説明を受けました。工業系メーカー出身の私にはたいへん目新しく、非常に興味が湧く内容でした。

 日本は輸入に比べると20分の1しか輸出がなく、英国でも半分はある。農業国のフランスなどはワインを中心に輸出超過です。日本だけが先進諸外国の中でも圧倒的に輸入超過。しかし和牛、りんご、日本酒その他、有望な商品が多いのです。輸出ポテンシャルはたいへん大きいものがあります。

 資料では日EU-EPA関係記述はほんの少しであり、参加者からGI表示の質問が出ました。

 私はカーギルなど世界の民間団体が進めるGFSI(世界食品安全イニシアチブ)の規格・認証に関し、輸出時証明制度(invoice表示のみか証明書が要るのか?など)を質問しました。

 日本発の規格であるJFSとASIAGAPはGFSIの承認を10/31に取得との事で昨年の進展結果のようですね。輸出入実務は結局、実際の事業者や、輸出入を進行する公的機関であるJETROなどが詳しいようです。この回答は追って「担当者」から後日いただくことになりました。(本稿で下記に回答を掲載しています)
質問したお陰で、すぐ後ろに座っていた昔からの勉強会仲間の知人にバッタリ会ったりし、サプライズです。

 農水省の課長補佐氏は理路整然、語り口が柔らかく、説明はこれ以上ないほど簡潔にして明快です。話が上手で非常に頭の良い人だと分かります。この講演者の絶妙な語り口を聴いていて、私は自分の話し方を振り返りまだまだだなぁ…と反省しました。^^;

   この後講演会の後、歩いてすぐ近所の神保町書店街に立ち寄りました。三省堂書店神保町本店。ここで知財関係の書籍や辞書をチェック。さらにここから川崎市・武蔵小杉での友人とのキャッチアップ飲み会🍻に向かいました。

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日本関税協会 貿易実務研究部会6月度
「農林水産物・食品の輸出促進について」
農水省キャリアから日本の農水産物の輸出促進の実態と政策面の詳述を受けました。資料と説明はしっかりしたもので非常に優れ(さすがは有能なキャリア官僚)わかり易いものでしたが、内容的には政策説明が主体です。
・日EU-EPAは巻末に参考リンク掲載の程度。参加者からGI表示の質問が出ました。
・私から以下のQ&Aを行い、本日メールで回答を頂戴しました。
 FTAと直接の関係はありませんが、規格・認証の「証明書」についての疑問についてです。
(下記|下線やゴシック、文字の色は著者による)↓
質問①(日本の規格である)JFS、ASIAGAPについて
 それぞれGFSI(*)に承認されているということだが、輸出入手続き時に個別の物品(農産品)がJFS、ASIAGAPを取得しているということは、どのように確認できるのか。(FTAのように)証明書を申請して添付する、インボイスに追記する、など輸出入実務での具体的なやり方を教えてほしい。
(注*)米国の食糧大手企業カーギルを始め、欧米系企業がリストアップされているが、民間の世界の食品に関する『規格・認証団体』とのこと。
①の回答:
実需者が生産者と取引する際、取引要件として
GFSI認規格の取得を求められる事例があります。したがって、例えば、取引の際にJFSやASIAGAP認証の証明書の写しを添付する等は考えられます。ただし、具体的にどのようにしているかは、個別の事業者ごとに様々なやり方がありうるので、正確にお知りなりたい場合は、事業者に確認する必要があります。
質問②GFSIへの政府のかかわりについて
(民間の「規格・認証団体」である)GFSIの(配布資料記載の)主要メンバーを見ると欧米企業が多く、一社だけ中国企業らしき記載がある。日本企業では一社のみイオンの名前が見られる。これについて政府とのかかわりなどはあるか。GFSIへの食品系企業の参加を後押ししたり、GFSIにおいて何か(リーダーシップをとるとかの)対応や支援などを行っているか。
②の回答:
GFSIについては、GFSI世界大会における政府間会合及び各国政府とGFSI理事との意見交換会へ日本政府として参加しております。また、JFSM(※)の立ち上げやASIAGAPの国際規格化等に向け官民連携で支援を行っておりますが、GFSI自身への直接的な支援は特に行っておりません。
※JFSM(⾷品安全マネジメント協会)はJFS企画の策定や運用を担う機関であり、2016年1月に大手食品企業と農水省が官民連携して設立された
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回答者:農林水産省 食料産業局 輸出促進課 企画官(個人名割愛)(回答はメール原文そのまま)
 
【配布資料から|いくつか要点のみ抜粋
 
「農林水産物・食品の輸出促進について」
●伸びゆく海外需要
日本の農林水産物・食品の輸出額は輸入額のわずか20分の1に過ぎない(非常に小さい)ことからも、今後インバウンド向けを含めて海外市場への売り拡大が期待され、政府として輸出促進をしていること。
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(Bil US$) (輸入)/(輸出)
・中 1,154 /    465 
・米 1,137 / 1,477 (出超)
・独   935 /    840
・英   627 /    293
・日   613 /      31
・蘭   585 /    909 (出超)
・仏   573 /    748 (出超)
・伊   481 /    433
・露   403 /    134
・ベルギー 392 / 442(出超)
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●2018年の農林水産物・食品輸出額 品目別
農林水産省・食糧産業局)
(金額:百万円)(対前年同期増減%)
・加工食品    310,121  17.7%
・畜産品       65,945   5.4%
穀物等     42,626   16.0%
・野菜・果実   42,299   15.5%
・他の農産物  105,070    8.2%
・林産物          37,602    6.0%
水産物        226,677   10.5%
 (除く調製品)
・水産調製品   76,418     9.5%
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主なレジメ項目列挙(下記)
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●2018年の農林水産物・食品輸出額 国・地域別
●輸出の鍵「餅は餅屋」
●輸出の各段階での課題
●政府の輸出促進政策
●農林水産物・食品輸出プロジェクト(GFP)の取組
●(GFP) 輸出診断の現場
●(GFP) 輸出チェックレポート
●商品リクエストマッチングサービス
● (GFP)グローバル産地づくり推進事業
JETRO中心とした輸出サポート
●日本の食品EXPO/第2回の成果
●各種輸入規制について
原発事故による諸外国・地域の~輸入規制~
原発事故に伴い輸入規制措置を講じている国・地域
●動植物検疫の輸出解禁・条件緩和における取組  
●日本発の食品安全規格がGFSI承認を取得 
●輸出環境整備推進事業
日本食品海外プロモーションセンター(JFOODO)
●JFOODOの第一次取組テーマの活動実績
●海外需要創出支援対策事業
●その他の情報提供
 1.輸出支援策ガイド(経産省との合同チームで策定)
 2.JETRO輸出のあれこれ相談所  
 3.EUへの輸出を始めませんかー日EU・EPAスタートー
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レジメ項目以上