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将棋騎士・羽生善治氏特別講演

NECのC&C User Forum & i EXPO @(有楽町)国際フォーラムにて
将棋騎士・羽生善治氏、特別講演〜自分と闘って負けない心、からのiPhone速記メモを自宅に帰って補足付記:
羽生さんの語り口は丁寧で穏やかで、聴きやすい、いい講演だったと思います。
◆まずは、直感による選択
七十から八十の選択肢の中から三、四に絞る。これが最初のステップ。
◇それは、カメラのフォーカス合わせに似ている。そこから具体的な読みに入る。(将棋の指し手の組み合わせは)足し算ではなく掛け算。とても、六万手を考えることは無理。
◆そして、大局観を使う。経験則、方針などから考える。
◇直感と大局観は、経験で。年季。若い人は手を読むことからはいる。読みと、直感・大局観は、読みは確実だが、全体像まではフォロー出来ない。大局観は幅広いが、それでも具体的な手(の選択)で間違うこともある。鳥瞰は可能だが、地に足のついた着実なところを探すことは難しい。
「長考」:長く考える、こと。それがいい手とは限らない。大局観からAかBか、直感で絞っても、そこから迷う。
どこかで見切るしかない。それが調子がいい時は決断が速い。
◇運やツキというものはある。それは刻々と変化する。だからあまりこだわらない方がいい。一喜一憂しないこと。着実に力を上げて行くことが、大切なのであまりとらわれない。
◆不調なのか実力なのかを見極める。将棋の世界には「不調も三年続けば実力」という言葉がある。なかなか実らず、一定期間の時差を経て、そこからやっと成果になったり。その前が不調だったりする。不調の時は気分を変える。生活の中に何かしらアクセントをつけて、モーチベーションを下げないようにする。
◇理想の姿:リラックス、楽しんでいる。次の時点の姿:プレッシャーがかかっている。最悪の姿:やる気がない時。
高跳びの選手の例:結構いいところに来ていてあと少し(跳べるか跳べないか)と言うところが、プレッシャーかかるポイント。それは、実はもうかなりいいところまで来ている。プレッシャーがあるからこそ、いいパフォーマンスが出る。小説家で締め切りと言う逃れることのできないデッドラインが近づいてから集中力を発揮する場合もある。
◇緊張と集中:この二つは似た関係。良い集中は良い緊張;身が引き締まる、は良い緊張。身がこわばるは、悪い集中。
◆大事なのは「五感を駆使すること」
◇忘れてしまった時に思い出せるのは「理解度」
◇ミスの話:ミスをした後にミスを重ねてしまう、それには原因がある。・冷静さを失い混乱する。・難易度が上がっている。築いて来た方針が崩壊。⇒ 一息つくことが大事。冷静さを取り戻す。
◆モノサシ、価値基準があれば、耐えることができる。物差しは短くても長くてもいいが、たくさんあるといい。不安、心配、疑念に対抗できる。経験、知識を生かして行くこと。
◇一枚の絵を見るように、どう見ても考えるでもなく、相手の手を読むでもなく、ただ淡々と差していた大山名人との若い10代の頃の羽生さんの対局。それは大局観の完成された姿。
◇ヨット乗りの話;知り合いで単独世界一周を成し遂げたヨットマン;しかし彼は大胆さと(意外な)地道さやきめ細かさを相もっている。世界一周した冒険家でも。朝デッキに出て調子がいいときは自分の決断に自信があり、今日は思った通り進んでいこうと思える。逆にそうでない日は、余計なことを考えず、GPSなどデータだけを頼りに地道に進めていく。そういう面がある。
◇リスクを取る;小さいリスクを取り続けて行き、それが積み重なって一年経ったとき、自分のスタイルが進化している、そういうようなこと。自然に、習慣化してしまう。
◆今年は、「場が荒れている」そう言う時は、予想したことは当たらないことも多い。ベストを尽くせたと思える時は、自信を持って選択ができる。モットーで色紙に書いていることは「八面玲瓏」(ハチメンレイリュウ)、の心境。= 明鏡止水と同じような意味。理想の決断状態。それを心掛けている。

Photo by Andy-e49er with iPhone4 dated 11-11-2011.