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遥か遠い、第二の故郷よ

ローズビル My Hometown
 海外からのその連絡にニュースは掲載されていた。ほぼ一か月も目に触れなかったのは、忘れかけていたからか、縁遠くなってしまったからか…。いまも我が記憶に残る鮮明な風景がある。それがこのブログのトップに映っているアメリカの大自然。カリフォルニアネバダの山並みだ。北カリフォルニア。いまでは遠く遥かなる「過去」になってしまった。87年からの4年と10か月の日々を過ごした「私のアメリカ」生活。カリフォルニア州 Roseville、そして、Sacramento の土地よ。29歳から34歳までを過ごし30歳の大台はアメリカで迎えていた。
 今や、グローバル資本主義と国際経営(欧米型)は個人の希望とか幸せに関係のないところで、有無を言わさず世の中を大きく変え続けている。21世紀。地球規模で音を立てて世界は変わっていく。あるいは音もなく忍び寄ってくる。何も待ってはくれない。それはまさに津波のような大きさ、広さ、と物凄い速さでやってくる。知らぬ間に身近に迫ってくるのだ。人は否応なしに巻き込まれてしまう。人間一人一人のチカラは無力だ。残念だ。無念だ。
 東京都内JR浅草橋駅程近くにあった台東区立福井中学校。大学目黒キャンパスと創立当時の名称。入社当時、テニス部で、職場で華やかに若く活躍させてもらった横浜鴨居にあった事業場。2度目のアメリカ勤務で駐在したボストンの会社事務所。40歳代の "Over the hill" を迎えたBostonでのプレゼンス、…そして…、 カリフォルニアで20歳台最後を過ごした、あの生産工場何もかもが経営判断の中で、その形と名前をもろとも変えていく。しかしちっぽけな我々一人ひとりには何もできることはない。進化して名称が変わっただけの「もの」や「こと」も含めると、私はいくつの過去、そして貴重なメモリーの痕跡を失ったのだろうか。
 NECという会社はメモリなどを含む半導体事業を結局は全て分社化した。メモリ(DRAM)はエルピーダメモリ。そのほかはNECエレクトロニクスとなり、後者は後日、日立製作所三菱電機が統合していたルネサステクノロジーと合体して、ルネサスエレクトロニクスに変わった。上司、先輩、同僚などが多く移籍をしていった。そのルネサスはいま那珂工場が被災して未曾有の生産危機に瀕している。 昔、85年に米国での前工程(拡散)と後工程(検査、組み立て、パッケージング)を一貫生産できる花形工場がカリフォルニア州にあり、勢いよくフル稼働していた。アメリカ人が日本人とタグを組んで誇りに満ちて仕事をしていた。スコットランドシンガポールの世界3極を繋ぎ、堂々の世界一位のDRAM生産工場だった。当時、その地で自信に満ちた働きが出来たこと、今でも大きな誇りに思う。5インチSiウエファ月産処理能力2万枚の前工程生産規模を、92年に「メガライン」として建屋を増設して6インチ、3万枚を月産で拡散処理できる、屈指の半導体製造前工程を持つそのローズビル工場は、ドイツのテレフンケン社に買収されることが決まったそうだ。
 資本の論理は止めようもない。土地と建屋と設備が残り、今の従業員もそのまま新会社に雇用され引き継がれるだろう。社名は変わり会社の姿かたちは変わろうとも、あの懐かしい工場建屋は残る。それだけでもよし、とするほか、私には何もできない。ただ遠くから第二の故郷の変わっていく様を見守ろう。

◇以前書いたブログ記事はこちらから(右のURLをクリック)http://d.hatena.ne.jp/andy-e49er/19920410#1230612798
Twitterで見つけたTweet
@lushuzmary Roseville is too far for me :(
◇日本語ニュース:http://release.nikkei.co.jp/detail.cfm?relID=277124&lindID=1
◇英語ニュース:http://www.eetimes.com/electronics-news/4214643/Renesas-sells-U-S--fab-to-Telefunken