2012-09-21 日本経済新聞出版社 『かつての超大国アメリカ』
どこで間違えたのか、どうすれば復活できるのか
トーマス・フリードマン & マイケル・マンデルバウムの共著
Original Title ; Thomas Friedman AND Michael Mandelbaum's " That used to be us : How America Fell Behind in the World it invented and How We Can Come Back "
冒頭から新大国・中国と、斜陽になっているかつての超大国・米国で身近で起きている社会インフラの大きな差、期待外れのアメリカ首都の話などが簡潔に、しかし危機感をじんわりもって語られてスタートするこの一冊。米国に長く関わってきている私としては「はずせない」一冊なのだ。
◎冷戦終結後に訪れた新時代の四つの難題
1. グローバリゼーションにどう適応するか
2. IT革命にどう順応するか
3. 政府のあらゆるレベルでの要求が高まることによって急増する巨額の財政赤字にどう対処するか
4. エネルギー消費が増加し、気候変動の脅威が高まっている世界をどう運営するか
「私たちの最大の問題は、中国のベストプラクティスについていけないことではなく、自分たちのベストプラクティスからあまりにも大きく離れてしまったことなのだ」…
この課題提示のあと、どのように建て直すのかの論がどう展開されるのか、いまからじっくり読んで行きます。
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私たちがアメリカで暮らしながら働いていた80年代末から90年代初頭、そして90年代末から00年代初頭。前半は日本の企業経営と経済が絶頂期でした。真に世界一の分野での米国現地での仕事を強く誇りを持ってやっていました。米国生活もNASAの宇宙航空防衛分野はもとより、車社会・高速道路網の素晴らしさ、教育、街並み、中流の住宅街、スーパーマーケットや物流など、全てが水準以上で目を見張ったものです。そして後半は、米国 I T. N W. バブルが弾けた頃、だから米国社会はまだまだ裕福であり、伸びていました。いずれも豊かで、素晴らしい生活環境(Quality Of Life)だったのです。いわゆるCredit Card社会で、消費するには先取りして金を借りてまでみな、プール付きの住宅や、プレジャーボートなどを買いまくりそれは豊かでした。その後、2008年のリーマンショックを経て、金融資本主義への大批判や反省が席巻しました。その後は・・・
それが今となってはこういう本が出る国になってしまった。残念だし、心配だ。…
と、言うことで読み始めました。
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◎参考
『生き延びるのは最強の種でも、最も知性の高い種でもない。生き延びるのは変化に最も適応できる種である』
(進化論)
…進化とは " もっとも適応できた種の生存 " であり、それを表すのにしばしば " 適者生存 " という言葉が使われる。ある種にとっての環境が変化したときには、とりわけ適応が緊要になる。
◎『この世には、悲劇はたったふたつしかない。ひとつは望みのものが手に入らないことであり、もうひとつはそれが手に入ることだ』(オスカー・ワイルド)
/// 手に入れたあとのアメリカ社会は、もちろん・・・。9.11.というテロとの大いなる戦いや、そのための海外での戦争・戦闘行為が長くあり、財政は疲弊し社会は困窮している。そうこうしているうちに、かつての古き良き時代のフロンテイアスピリッツを失って行ったのだと思います。民衆は挑戦しなくなり、普通の人としての行動・常識だけを守るスタイルに陥ったとき、かつての超大国・一流国は、二等国になり下がった、とも言えるでしょう。長く憧れてきた、そして今も憧憬の的であるべき私の中の「アメリカ合衆国」や「フロンテイア精神」とは絶対に相容れないもの、異質な感覚を、いま強く感じています。
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