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終わりの始まりか?中国共産党ガバナンス

【感想】中国政府の「1人っ子政策」のツケが回ってきた。この記事は相当な悲観論基調だが、今後の隣国の政情不安は、大いなるリスクファクターに間違いないと思う。さらにその隣の軍事独裁的国家と合わせて見ると相当な不安定要素であり、我々の将来にとっても大変心配な話である。

http://jp.wsj.com/Opinions/Opinion/node_464359/?nid=NLM20120621


【オピニオン】終わりを迎えつつある中国共産党の宴 - WSJ日本版 - jp.WSJ.com







 ?小平氏が中国の南部地域を視察し、有名な「南巡講話」を発表してから20年が経過した。その視察が行われたのは天安門事件から数年後で、中国が国際的に孤立し、?氏の改革開放路線への疑念も高まっているさなかのことだった。?氏の視察は改革路線に再び勢いを与え、経済が急成長し始めた。過去20年間の中国経済の成長率は、年率平均で10.4%だった。








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Associated Press


習近平・国家副主席






 中国経済はこのまま順調に成長し続けるかと思われたが、もはや簡単にはいかないということが明らかになった。中国共産党にとって向こう20年間の舵取りは難しいものになるだろう。経済の悪化ばかりか、共産党崩壊の可能性をも含む中国の差し迫った問題はこの20年間になかったほど鮮明になってきている。


 胡錦濤国家主席が数年前に優遇措置の対象を民間部門から公的部門に一斉に切り替えたことがそうした問題の発端となっている。国営企業はこれまで以上に支配的立場を強める一方、地方政府は特に金融危機後の放漫融資で大胆になり、有効な融資枠のほとんどをのみ込んでしまった。その影響で雇用拡大の原動力である中小企業の経営が行き詰まり、景気減速の一因ともなった。中国政府は最近、今年の経済成長見通しを7.5%に下方修正した。


 中国共産党には無視してきた長期的な問題があり、これが現在の経済失政につながっている。中国企業の競争力に影響を与え始めているほど賃金が上昇しているばかりか、経済成長の中心地である沿海部において労働力不足も起きている。内陸部で雇用機会が増えているということもあるが、最大の問題は生産年齢人口がすでにピークに達してしまったことである。


 中国政府の「1人っ子政策」のツケが回ってきたのだ。個人レベルでも広く嫌われている政策だが、今月になって娘を強制的に中絶させられた母親のことが報道されると、中国の若いネットユーザーたちから批判の書き込みが殺到した。経済的見地に立つと、この政策が導入された1979年には国民1人当たりの所得を押し上げる効果があったかもしれないが、今では中国の高齢化を加速し、将来の生産性を低下させる元凶となっている。


 さらには中国金融市場の自由化問題がある。この数年間、中国政府は人民元を国際化することを示唆して物議を醸してきたが、資本市場を開放できなければ口先だけの約束に終わるだろう。資本市場が開放されないのであれば、中国国民は国内貯蓄の使い道が果たして今のままでいいのか、疑問を呈していいはずだ。中国の資本は公的部門の非効率的な大企業によって浪費されたり、多くの専門家が破裂間近とみている1.5兆ドル相当の不動産・地方政府債務バブルにつぎ込まれている。その一方で、温州の小規模製造業者など、まじめに努力している新興企業は資金難に陥るリスクにさらされているのだ。


 中国人は限られた人々だけが優遇されるシステムについて不信感を抱いている。最近発覚した汚職事件はその好例と言えよう。今年に入って重慶市のトップ、薄熙来氏が失脚し、その妻には英国人実業家を殺した容疑がかけられている。この事件により、システムの大半は政府高官たちがギャングのように支配する縄張りだという暗黙の了解が表ざたになった。中国共産党では年内にも世代交代が予定されており、縮小する経済のパイのより大きなスライスを巡る中央指導部での派閥抗争は増えていくかもしれない。財産権や司法の独立が確保されていない現状では、縄張り争いが激化した場合、一般の国民は自分の身を自分で守らざるを得なくなるだろう。


 今や中流層が将来や政府に対してより悲観的になり、自分たちの立場を守ることに専念するようになっているのも当然だろう。先週、筆者が話を聞いた中国人によると、共産党に対する感情は憤りよりもあきらめの方が大きいという。こうした不信感が募っていくと、天安門事件のような政治への抗議運動に発展しないとも限らない。過激化した都市部の中流層が、毎年起きている約18万件の集団抗議運動のほとんどにすでに関与している農村部の人々に合流することも考えられる。


 共産党はおそらく、抑圧を一段と強めるという対抗措置に出るだろうが、それにより国内情勢は一層不安定化するだろう。それと同時に、体制が揺らいだ中国は、愛国感情に火を付け、国民が抱いている不満を国内から国外へ向けさせるため、近代化された軍隊で外国に攻撃を仕かけるかもしれない。そうなれば、中国はさらに国際的な孤立を深めることになろう。どういった形にしろ、国内か国外で起こり得る殺りくは、共産党に存続の危機をもたらすことになるだろう。


 ?小平氏は南巡講話のなかで「金持ちになるのは素晴らしい」と述べている。中国の次期指導者、習近平氏やその後継者たちなら、それに対して権力の維持こそ崇高だと言うかもしれない。


(マイケル・オースリン氏はアメリカン・エンタープライズ研究所の日本部長)

WSJから引用