ときおり人生ジャーナル by あきしお ⁦‪@accurasal‬⁩

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アンソロ・ビジョン 〔読後感想〕

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by ジリアン・テット

👆記事の出所は日本経済新聞、🔗は下記

超知能へカウントダウン AIの「人類超え」、数年内にも …と実にキャッチーな見出し。
一方で、”人類を絶滅させる可能性は「排除できない」との見方が消えない” ならば米中などに先端開発を委ねたままで人類の未来は大丈夫か。◉今の世界貿易や地域紛争と同じく、ネガティブな轍を踏まないためのルールづくりや国際協調をどう担保するか、それが肝心・要。⤵️

日経のWeb記事👉 超知能へカウントダウン AIの「人類超え」、数年内にも https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC2394S0T20C25A4000000/?n_cid=SNSTH001 人間のような幅広い知識や能力を持つ、汎用人工知能(AGI)が実現したら、私たちの生活はどう変わるのか――。 企業経営や芸術にもAIが入り込み、新薬開発など科学分野も進展します。一方で、人類を絶滅させる可能性は「排除できない」との見方も。 アメリカや中国が開発にしのぎを削る研究の最前線に迫ります。

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この人類とコンピューティング、AIの待つ未来の命懸けの課題に次の考え方が必要だと思う。
" Anthro-Vision: How Anthropology Can Explain Business and Life "

ジリアン・テットによる本

邦題は、『人類学的思考で視るビジネスと世界』(土方奈美 訳)
"ジリアン・テット" 氏は、日本経済新聞に時折載っていて、その肩書きは、Editor at Large. 
◉ at Large は、be at Large で、(犯人が) 逃走中、の意味だと知っているので、肩書きの意味が不思議に思えたので検索で調べてみたら⤵️

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「全般に」という意味もあると分かった。

つまり総合編集委員とか、"全体を統括している" 編集委員といった意味なのだろう。

Gillien Tett : FT米国版編集委員会委員長、米国版エディター・アット・ラージ。

ケンブリッジ大学にて博士号(社会人類学)取得。ファイナンシャルタイムズ紙 (FT)入社後、ソ連崩壊時の中央アジア諸国を取材。その後、東京支局長も務める。イギリスに戻り「Lexコラム」担当。金融ジャーナリストの最高の栄誉ウィンコット賞を受賞したほか、ブリティッシュ・ジャーナリスト・オブ・ザ・イヤー賞、コラムニスト・オブ・ザ・イヤー賞、ビジネス・ジャーナリスト・オブ・ザ・イヤー賞などを受賞。米国版編集長を経て現職。

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YouTube 動画へのリンク🔗 ▶︎ - YouTube

まえがきから ; 

(前略) 融通のきかない経済モデルなど20世紀に開発されたツールだけに頼って21世紀を渡って行こうとするのは、夜中に真っ暗な森をコンパスの盤面だけを見つめながら歩いていくのに等しい。素晴らしく高性能なコンパスなら、目指すべき方向を示してくれるかもしれない。しかし盤面だけを見ていたら、木にぶつかるかもしれない。視野が狭いのは危ない。必要なのは広がりのある視野であり、それこそ人類学が与えてくれるものだ。これを「アンソロ・ビジョン(人類学的視点)」と呼ぶ。

本書ではアンソロ・ビジョンを獲得するための様々な方法を見ていく。(中略)

 一つ目は、グローバル化の時代には見知らぬ人々に共感し、ダイバーシティー(多様性)を大切にする姿勢を育むことが急務であると言う考えだ。これは人類学者が最も得意とするところだ。(中略)

 二つ目の基本思想は、どれだけ「異質な」ものであっても他者の考えに耳を傾けると他者への共感につながるだけではなく(それはそれで今日切実に必要とされていることだが)、「自らの姿もはっきりと見えてくる」と言うことだ。

(中略)

 そして三つ目は、この「未知なるものと身近なもの」と言う概念を理解することで、他者や自らの死角が見えてくると言う考えだ。人類学者は精神科医に似ている。違いは個人をソファーに座らせて話を聞く代わりに、人々の集団を観察することを通じて、そのバイアス(偏り)、想定、集団として受け継いだ心象地図を理解しようとするところにある。例えて言えば人類学者の仕事は、社会のレントゲン写真を撮り、人々がおぼろげにしか気づいていない半ば隠れたパターンを見つけ出すことだ。その結果、ある事象が起きた原因は「X」だと思われていたのが、実は「Y」だったと明らかになることも多い。

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「知性とは変化に適応する能力だ」 - スティーブン・ホーキング

ツイッターの共同創業者ジャック・ドーシーが、もう一度ソーシャルメディアをゼロから作り直すことができるなら、コンピュータ科学者だけでなく社会科学者も採用するところから始めると語っているのもうなずける。そうすれば21世紀のデジタル世界の風景も、かなり違ったものになるだろう。それも良い意味で。(陰謀論のくだりの所で)

▶︎例えば1970年代、シリコンバレーなどの理想主義的なエンジニアが集まってWorld Wide Webを作ったとき、自分たちが集まり、ともにウェブのアーキテクチャを構築する場として「インターネット・エンジニアリング・タスク・フォース(IETF)」と言う組織も同時に立ち上げている。

IETFは多数決の原則では運営しないことになっている」(クアルコム社・コンピューター科学者ピート・レズニック)

「私たちの社会は世界を支えるソフトウェアの構築を、国内の限られた場所にいるひとにぎりの技術者に実質的にアウトソースしてしまった」と、データ分析企業パランティアCEOのアレックス・カープは、2020年8月にSECへの提出文書に書いている。技術者の大部分は善良だ。しかし金融関係者と同じように視野が狭くなりがちで、他の人々が自分たちとは違う考えを持っていて、自分たちの考えを受け入れない可能性があるとは考えもしないことが多い。
「技術を生み出す人々のコミュニティーにおいては、技術の設計、開発、製造、保守といったプロセスそのものがテンプレートとなり、技術そのものが世界を見るレンズとなる」と指摘したのは、シリコンバレーを研究してきた人類学者のJ・A・イングリッシュ・リュイクだ。「技術者は技術をメタファーとして自らの人生を語るようになり、"有用" "効率性" "良好" が融合してひとつの道徳となる」。

(第9章 リモートワーク)

ハイテク業界にも同じことが言える。ここ数十年にわたって多くのハイテク企業が人類学者を採用し、顧客の理解に努めてきた。それは評価に値する。だが今ハイテク業界に切実に求められているのは、レンズの向きを逆にして自分たちを理解することだ。(金融関係者と同じように)ハイテク業界の人々も一般の人から見れば倫理観に欠ける思考の枠組みに陥っている。例えば効率性、イノベーションダーウィン主義的な競争を信奉し、人間について語るときまでコンピューティングの用語やイメージ(ソーシャルグラフ、ソーシャルノートなど)を持ち出すところだ。
アンソロ・ビジョンはプログラマーに、コンピュータープログラムが人種差別などのバイアスをシステムに埋め込み、それがAIによって増幅される可能性、あるいはデジタル・テクノロジーが社会的および経済的格差(国によって教育や高速インターネットのようなインフラへのアクセスに格差がある)を助長する可能性を認識させるだろう。見方を変えれば、ハイテク企業の経営者にアンソロビジョンがあったならば、今のような「テックラッシュ」に直面していなかったかもしれない。今後このような事態を起こさないためには、早急に社会に対する視野を広げる必要がある。また政策立案者がデータプライバシーやAIをめぐって良識的なルールを設定したいと思うならば、多少なりともアンソロビジョンを身につけておくことは不可欠だ。

△以上、この本を借りた時期は仕事で忙しく読む余裕がなかった。この一冊は全編を通しては読まず。以上、抜書きだけを記して返却した。

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☝️今年の春は、トランプ関税騒ぎで忙しい…

SNSのX投稿から一部編集し転載 (6/8) ⤵️

TAXI乗車でなめられないようにしないと。

NYで空港から乗ると “日本人か?韓国人か?” と会話が始まり…。そのときは上司に倣って、

  • 『いゃ、(住んでる)ボストンから(出張で)頻繁にマンハッタンにきていてねぇ』さらりと口走る。秘訣。

若い頃にバンコクで明らかにボラれて、当時の先輩から、からかわれたりもした経験

世の中をうまく渡っていくには、コミュニケーション力と、心理戦を予測した会話の妙、なのかもしれません。文化人類学的な思考は助けになるのです。