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『アメリカが劣化した本当の理由』

『アメリカが劣化した本当の理由』新潮新書 2012-12-20
著者 Colin P.A.Jones
著者は、USAはコロラド州生まれの弁護士、同志社大学法科大学院教授が書いた本。(1965年生まれ、東北大学大学院法学研究科博士前期課程、デューク大学ロースクール修了)日本語で書いてるのだから秀才だと思うナ…だけど劣化していることは事実なのだろうか、そこが結局読み終わっても最後まで分からない本だった。劣化しているという論証が出てこないし。

いま同時並行で読んでいる「かつての超大国アメリカ」と表題的には似たトーンの一冊だが、向こうは教育や国家戦略から説いており、こっちの論はアメリカ合衆国憲法とその建国当時からの経緯や法律面、社会の法的仕組みの側から紐解いて行く一冊みたいだ。(そうだった)
論調と説明はこれまで接したことがなくて目新しい。そのために興味深く、話は一理も二理もある。つまり、読み進むにつれて面白くなって行くタイプ。

・「合衆国憲法は失敗した条約である」(第一章)や
・「巨大権力が集中する米大統領」(第三章)や
・「アメリカ司法の功罪」(第六章)など、合衆国や民主主義、信教自由の保証などアメリカ合衆国の持つイメージは、「実は違っている」ことをさらりと、しかも次々に述べて行く。
こう言うことは、もっと早く教えて欲しかった、と言うのが感想ですね…

///…と思って最後まで読んだら、

結局この著者の言いたかったことは「アメリカ合衆国憲法」と南北戦争前後における奴隷制度そして黒人参政権問題と「人権保護」に関する当時の社会情勢と憲法の関係について。また、「合衆国」とは州という『国家』が集まって合衆国憲法と言う「条約」で結びついた国であること。その「条約」は不十分且つ失敗例であること。憲法で規定する連邦政府/州政府の権限。そして米国大統領の権限;戦争への独裁的な意思決定の危険性(憲法が規定する外交権や州政府の範囲を超えた通商理論の拡大解釈のこと。・・・などなど、現体制の仕組みの批判的な評論だった。

それなりに面白い解説として読めた。法学部の学生には意外におススメかも///。この本の主張から日本で一般的に感じられ理解が定着していたアメリカ合衆国の内情は結構歴史的事実から見ると「違ってるね」ということが、けっこうたくさん!あるんだなぁ〜と気づかされるからだ。


以前の読書途中段階でのメモから)

◎一言で言えば、結構な「目から鱗が落ちる」一冊である。
◎アメリカはそもそも複数の主権国家の条約協定から始まったと考えた方が合っている。
◎上院議員の特権、Filibuster(何時間でも発言し続ける特権を持っている。トイレ休憩なんか無!)
◎上院議員の改選は二年毎に1/3
◎一票の格差は日本の比でないくらい大きく、選挙区の歪みも奴隷制度時代やネィティブアメリカンへの「配慮」などから特異なものがある
◎副大統領の権限
◎大統領選の選挙人のうち三人はなんとワシントンDCに割り振られている

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