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無料ビジネスの時代(3)面白い経済理論の要点(引用)

◆無料ビジネスでは、顧客の予算よりも先に時間を抑える。最近のビジネス戦略としてはまずは消費者の時間を抑えにかかる。
◆「代替」と「補完」を忘れるな(コーヒー無料だと代替品である紅茶は売れなくなる、一方で補完関係のケーキは売れやすくなる)
◆無料ビジネスは昔からある。高級クラブでの女性による接客は「無料」で席料や飲み物代でコストを回収し利益を生み出している。
◆無料ビジネスの本質は個人向けファイナンス(資金調達でのローンと株式発行の違い)
◆株式型個人向けファイナンスの要素:ある種の無料ビジネスには、本質的に、株式型の個人向けファイナンスの要素が組み込まれている。だから、お金に余裕のない消費者に商品を売り込むのに適している。ローンとは金融(金の貸し借り)機能だが、実は本質的には、金額のIn/Outの時差を融通する機能:「交換のタイミングのずれ」である。
◆2つのファイナンス・・・ローン型の個人ファイナンス(ケータイで遊ぶ無料ゲーム)と、株式型の個人ファイナンス(無料ケータイ、2年間契約条件)
◆迂回して消費させる(時間を押さえる、家族を狙う、評判を獲得する)←直接売るだけでは消費を伸ばしにくい。
◆「予算制約」と「時間制約」・・・時間の鍵、予算の鍵を開ける/消費者(労働者でもある)にとって生産効率が上がり労働生産性が上がることで、時間の価値は上がっている。抑えやすい方から押さえておくことがポイント。ネット時代は、消費行動のパターンが変わっている。・・・など、無料と言う概念を通して日本の現下の不況構造を理論的に解明し、解決策を提示する意欲的な一冊だと思った。(素晴らしい内容だ)
(以下、少々要旨を引用してみよう・・・)ポジテイブな解決策の提案までは引用で書けないので中途半端だが、日本が労働コストを削ってコストダウンをする社会になり、それが消費を冷やしてしまい、デフレ社会に陥っている一端を非常に分かりやすく平易に説いているため、読みでがあると思う。
◆消費不況と無料ビジネスの関係
【課題・問い】1998年から2010年の間に、日本国内の灯油価格は1.7倍になった。国際的な商品相場は高騰がもっと激しく、平均で3.5倍に跳ね上がったというデータがある。資源価格のさらなる高騰を心配する人も多く、そうなると日本は、いよいよインフレ(物価上昇)の時代に突入すると指摘する人たちがいる。逆にまだまだデフレ(物価下落)が続くと考えている人たちもいる。さて今後の日本経済は、インフレに転じるのか、それともデフレが続くのか?
【結論・答え】日本の消費物価は、資源価格よりも労働コスト(賃金)に左右されやすい。日本経済全体で、1年間で消費や投資に使ったモノやサービスの中で、海外から輸入したモノやサービスがどの程度を占めるかと言うと2009年度で12.7%しかない。【輸入依存度】は日本はブラジルに次いで世界最低レベル。
単純に規模だけで論じると日本は世界で最も輸入に依存しない国。一方で私たちが実際に消費するモノの多くは外国産品が多い。ところがこれらに消費した価格/コストは実際には、船で輸入した服を港から店に輸送するコスト、店で服を並べて売るコスト、服を売るビジネスに関わった企業の利益、これらが服の価格の大部分を占めている。そうなってしまう最大の要因は、日本人の労働コストの高さにある。日本の2009年度の【労働分配率】は74.1%という高い数字。
大体7割前後は同じ日本人に支払う賃金である。ガソリンなど燃料が高騰しても最近は「送料は無料」というビジネスもあるため価格への影響はほとんどない。
(例外的に一貫して上昇傾向にあったサービスは「教育」)
*資源価格と消費者物価の関係・・・企業が賃金を下げやすい単純労働がそれなりの比率の業種では、資源価格が高騰すると、できるだけ、誰かの賃金カットで対応するのが一般的。約7割が労働コストなのだから、労働者の人数を減らすとか、賃金を下げるとか、賃金が高い正社員を賃金が安い非正規雇用の人と入れ替えるなどで、労働コストを下げる。