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『アマゾン、アップルが日本を蝕む」

PHPビジネス新書 2011-4-1/著者(岸 博幸)氏はテレビで最近ご覧になられた方も多いのではないだろうか。

 ◇経産省OBにして、現在は慶應義塾大学大学院メデイアデザイン研究所教授という肩書。米国留学経験も持つ著者が自らiPOD, iPhone, Facebook, Twitterなどを使いながらも、米国流のある意味の「デジタル/メデイア帝国主義」とその日本市場への浸透(侵攻)に「やや」批判的かつ慎重な立場で、懐疑的な持論を冷静に展開していく内容。
 ◇米国のハイテク企業が進める現在のIT革命は所詮、企業の利益であり、特に日本国内の出版やメデイア産業界とは相いれない面があるので、そのまま導入するのはいかがか?というトーンで電子書籍の解説を展開してくれる。まぁ分かりやすくデータも駆使して論を展開していると思う。
 ◇そうやって電子書籍の日本市場開放に「要注意」の警鐘を鳴らす。アマゾンやGoogleなどがそのまま日本へ入って来るについては批判的なスタンス。自説のシナリオを意識し、論理的に理解してもらえるよう配慮した書き方。丁寧な展開。内容・トーンがマイルドなので、必ずしも「反対・批判」を声高に叫んでいる印象を受けない(書き方がうまいと言えばそうだが。正直なところ、なんだか中途半端な感じ)
 ☞ それはなぜか。今は大学教授と言う立場だが、出身は経産省。どこか対米配慮をしている。(優等生の官僚)という風だ。波風を立てない心理が身についてしまい、その感覚が著述にも滲み出ている。そういう感じの書きっぷり。表題であるが、いかにも書店と編集者がヒットを狙ってつけたな、という感がありあり。デジタル・メデイア・ハイテク(企業研究)に関心がある人にはキャッチ―だが。読めばその内容は、日本の「頭のよい官僚が書いた日本市場保護、擁護論」。従い、企業競争戦略などを期待すると裏切られる。内容と自体には面白さはあるものの、どうも官僚の市場・日本業界保護的な政策論を読ませられたという感が否めない・・・それがこの本の明確な特徴だ。

 ◇最後に、初めて接してこの本で有益だと感じた引用:著者が引用する「米国のジャロン・ラニエーの言葉」:
Wikipediaなどの匿名の場のコンテンツの充実に割く時間があったら、実名であなた個人の考えを公開し、関心を持った人が学べるようにしなさい』
SNSをやるより自分のサイトを作り、SNSが提供するテンプレートでは表現しきれないあなた自身のことを、そこで公開するようにしなさい』
『自分の頭の中でじっくりと考えて醸成した内容をブログに書くようにしなさい』
Twitterをやっているなら、些末な日々の出来事ではなく、あなた自身の考えを表現するようにしなさい』

●ジャロン・ラニアーの考え方:“YOU ARE NOT A GADGET A manifesto” by Jaron Lanier, 2010.
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