(*本稿はあくまでも書下ろしです。後程、資料を見て、内容強化編集、補足、あるいは、テーマ記事自体の追加などを行う場合があります ※ )
8月26日@赤坂アークヒルズ、ジェトロ本部で開かれた、 『ジェトロ・アジア経済研究所の2011年夏期公開講座』 に個人としての立場で出席してきました。 講師は海外調査部長はじめ4名。10:30〜昼休みをはさんで16:30まで。中身のぎっしりと濃い内容で大変勉強になりました。 (前から2列目に座りました。後ろを見ると会場は縦長で広いいつもの5階ぶち抜きの部屋。おそらく200名はいたかもしれません。) |
※ 本ブログでは時間と手間の関係から、日本企業の対外投資側面はさておき、まず日本への対内投資、つまり「外資による日本企業への経営直接参加」の観点で書いています。※
コースの詳細は以下をクリックすると資料にリンクしています。
コース14 アジアの活力を取り込む日本の発展:外国直接投資の視点から - ジェトロ・アジア経済研究所
主に、(1)海外直接投資(対外/対内)を経済モデルから検証する学術研究の説明、(2)中国経済展望、(3)ASEAN経済、(4)海外直投全体俯瞰と事例から見たまとめ、という流れでの4部構成。配布された講義資料はA4両面コピーで実質90ページ近く。ずっしりと重い。私はAIBA(貿易アドバイザー)会員のため、受講料は割引価格で2000円。一般(ジェトロ加盟会員会社など)でも4000円で、受講は意外に格安です。 |
政府系:日本貿易振興機構傘下研究所の「公開」講座です。政府の運営による研究成果の発表の意味合いがあります。(税金でわれわれが間接的に運営参加しているわけです。成果発表を聴講し、運営をチェックすることは国民の義務(政府ガバナンス)にも適うと思います。)参加の動機は「投資」最新事情を研究する目的。投資自体もさることながら自分の研究テーマにM&Aを置いているのでその参考に。個人的に、会社の夏休みを利用して参加。この件と合わせ今週火曜は夜、大手町でITメデイア関係の経営セミナーも聴講したので、2件目です。
ジェトロのこの手のセミナーは、企業アンケート結果なども踏まえ、データ量が豊富です。また機構として世界中の事務所メンバーのネットワークと相まって、マクロでの企業経済活動における知的レベル・その成果は最高度であると感じます。毎回、大いに期待して、受講をさせていただいております。この場を借りて、研究活動と成果公開に敬意と感謝を申し上げます。
前置きが長くなりました、本題に入ります。
長島部長さまによる、「アジア諸国からの対日直接投資の新潮流」は直近の投資やM&A事例、事実を整理したデータ量が膨大。内容のぎっしり度からやむなくお話のスピードが早すぎましたが、なんとか大づかみで趣旨・主張はフルに理解しました。
☞ 『最近はアジア諸国からの日本への直接投資が拡大(データあり)。対日直接投資からみた日本とアジア諸国との関係を、具体的事例を類型化して概観』されました。
”東日本大震災の復興”に向けてもそうなのですが・・・。日本経済(貿易)の更なる発展・深化のために、現在最大の課題(日本進出の阻害要因)とされている「法人税減税」をはじめとして、語学力のギャップが第2位に挙げられています。
更に進展を見せるグローバル競争環境下での日本の国レベル、地方レベル、民間企業レベルでの実質性の担保される競争政策とその「実行」は今や不可欠かつ喫緊の課題だろうと思います。
その視点に目線をおいて考えると・・・今後、海外の投資母体(外資系企業やファンド)がそれぞれ、本邦で直接投資を行うことが増える。=イコール☞ 日本の中小企業を傘下に納める・・・☞ 日本での子会社としての企業経営・事業運営を行う。 ☞ 語学力も含め、経営母体側と子会社側の " Bridging " コミュニケーションを経営管理面で行う、経営コンサルレベルのニーズが増えていくと予想(ができるかな・・・?)と思いました。
■海外直接投資のうちの対内投資:中国系(技術獲得型、例えば太陽電池パネル生産販売など:好例は、私のブログでも取り上げたサンテック・・・←ここをクリックするとサンテックの記事へ遷移します…など)、香港・シンガポール系(金融系が中心で、ホテルや老人ホームなどサービス業系へのREITなどによる直投が特徴。投資によるリターンの確実さを追求)、欧米系(税制面で優遇されているオランダ経由での投資が多い、など)■
さて最後に私なりの考察を入れてみます。
一口に貿易アドバイザーとは言っても、もともと貿易(実務)・投資・(貿易)マーケテイング・貿易英語(コレスポンデンス)などがノウハウのカバレージ範囲。なので私の関心としては、☞ 貿易実務技術や輸出入手続き面よりも、☞ より経営管理サイドに近い、内部統制的な 経営管理・遵法・ガバナンス、事業管理・取引(契約)渉外 の巧拙が、日本の被投資/被買収(中小)企業にとっての大きな課題ではないかと考える次第です。 これは(投資・被投資に関わらず)一般論でその通りかと思いますし、外資にクロスボ−ダーM&Aされる場合、なお一層当てはまると考えます。 まずは自分が出来ることを、自分の今の立場で研鑽していくつもりです。 |